ベランダにひび割れや水たまりが発生したら修繕が必要?よくある劣化症状をご紹介
ベランダの床には防水措置が施されていますが、劣化が進行すると階下に雨漏りを引き起こすだけでなく、構造躯体が腐食して建物の寿命を大幅に縮めてしまう可能性があります。
特にひび割れや水たまりなど、目視で確認できる異常を発見したときには、早期に専門工事業者に点検を依頼すべきです。
今回はベランダの劣化症状とメンテナンス方法について、経験豊富な専門技術者が分かりやすく解説します。
大切な建物を長持ちさせるために必須の情報ですので、ベランダに気になる点が見受けられたら本記事を参考に修繕工事をご検討ください。
ベランダに劣化症状が現れたときの懸念点
ベランダの床に施工されている防水層が劣化したり、排水口が詰まってしまうと次のようなトラブルに見舞われる可能性があります。
・雨水が床に浸透して、下地の合板等に浸みる
・下地に浸みた雨水が、階下の天井に落ち雨漏りを引き起こす
・浸みた雨水が建物の構造に使われている木材や鋼材を腐食させ、建物の寿命を縮めてしまう
・排水口が詰まっていると、プール状に溜まった雨水があふれて室内に浸水し内装材を痛める
このように、ベランダの劣化は重大な建物事故を引き起こして修繕費用が掛かってしまうだけでなく、建物の寿命そのものを大幅に縮めてしまう危険性もあります。
ベランダの防水層に劣化症状が現れたら、早急に専門工事業者に点検を依頼するようにしましょう。
ベランダ防水の種類との劣化症状のサイン
ベランダ防水にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が違います。
種類ごとの注意点を把握し、下記に挙げる劣化症状のサインを見逃さないことが、ベランダ防水を長持ちさせるコツです。
ベランダ防水に関しては、こちらの過去記事も参考にしてください。
▷外壁塗装をする際にベランダ防水は必要?必要性と関係性について
ベランダ防水の種類と特徴
ベランダ防水に採用されている工法として次の4つが挙げられます。
それぞれの特徴について整理してみましょう。
ウレタン防水
ウレタン防水は、ウレタン樹脂の塗膜を表面に形成し、その撥水性と厚みで防水機能を持たせるものです。塗装系の工法ですので、下地に凹凸があったり複雑な形状でも対応しやすいのがメリットです。
比較的ローコストで施工できる防水工法ですが、他の工法と比較すると耐用年数が短い傾向があります。
よって、新築工事で施工されることはあまり無く、主に改修工事で採用される工法です。
FRP防水
FRP防水は現在の新築住宅のベランダ防水として主流になっている工法です。
ガラス繊維で強化した下地にプラスチック樹脂を流し固めて「繊維強化プラスチック(FRP)」を表面に形成し、継ぎ目のない強固な防水層をつくることができます。
強固な樹脂層が一体となって防水を形成するため、乾燥収縮や地震の揺れなどで下地の構造が動いても防水に亀裂が入りにくく、長期に渡って防水を維持することができます。
ただし、直射日光が当たる環境では紫外線の影響で表面が劣化していきますので、定期的なメンテナンスが必要になります。
▷八尾市にて防水塗装<べランダのウレタン防水・屋上のFRPトップコート塗装>
シート防水
塩ビ製の長尺シートを床に接着剤で張り付けて防水層をつくるのが、シート防水工法です。施工スピードが速く、一度に大きな面積を防水するのに適しているため、鉄骨造のビルの屋上などで頻繁に採用されています。
シートの継ぎ目や重なり部分の接着不良が防水上の弱点になりやすく、一度裏側に水が回ると水蒸気で膨れてしまいます。そのため、排湿のための脱気装置を取り付けることがあります。
アスファルト防水
アスファルト防水は最も防水性能が高いとされ、鉄骨造や鉄筋コンクリート造のビルやマンションの屋上に採用されることが多い工法です。
アスファルトの高い防水性と接着性を利用してシートを下地に溶着させることで、長期間に渡って高い防水性能を発揮します。ただし、施工の際にトーチで炙って溶着させることが多いため、火災防止の観点から木造の建物に採用されることはごく少数です。
ベランダ防水の劣化症状
ベランダ防水に次のような症状が出てきたら要注意です。
放置すると建物の劣化や損傷を引き起こしますので、早期に専門業者に点検してもらいましょう。
ベランダ下の雨染み
ベランダ下の天井に雨浸みのようなものが見えたら、ベランダ防水の漏水を疑わなければなりません。
ベランダの床や排水口を徹底的にチェックして、原因箇所を探す必要があります。
ベランダの下が室内の場合は寒暖差による結露も考えられますが、いずれにせよ建物に何らかの不具合があるため、天井にある点検口などから天井裏を確認するようにしましょう。
水たまりの発生
新築時にはベランダの床に水たまりができないように、床に傾斜(「水勾配」といいます)を付けて施工されているはずです。
水溜まりが発生している場合は、防水層が浮き上がって傾斜がおかしくなっていたり、排水口に不具合があり上手く雨水を排出できていないなどのトラブルが懸念されます。
コケやカビ、植物の繁殖
日当たりが悪い部分には、カビや苔・藻類などが繁殖することもあります。これらは洗浄で落ちますが、その際には防水の表面を傷めないように柔らかめのブラシを使用しましょう。
カビや苔は放置すると悪臭の原因になるだけでなく、その下部に発生した異常の発見が遅れたり、排水口をふさいでしまい水たまりとなって室内にオーバーフローする可能性もあるため、気が付いたら除去するようにしましょう。
防水層の剥がれやひび割れ、膨れ
ベランダ防水の表面は、紫外線の影響や歩行による摩耗で表面の塗膜剥がれたり、部分的に薄くなっていきます。そのような症状が見られたら、メンテナンス時期が近づいているサインです。早期の手当であれば、トップコートの上塗りだけで済む場合もあります。
それが進行して表面にひび割れが発生すると、部分的に防水性能が失われてしまいます。
放置すると裏側に水が回って全面的に剥離してしまったり、下地材を腐食させてしまうこともありますので、早期の補修および改修工事が必要です。
表面に凸凹が発生し部分的に水ぶくれのような症状が見られた場合は、防水層の裏側に水が回って剥離している可能性があります。ふくれを押して破らないように注意して、早めに専門業者に点検してもらいましょう。
ベランダ防水に先述のような症状が見られたら、まずは専門工事業者に点検を依頼することをおすすめします。
ベランダ防水の寿命
ベランダ防水の寿命は、使用する材料や施工方法、さらには気候条件などによって異なりますが、一般的には10〜15年と言われています。
表面上は問題無く見えても、劣化は確実に進行します。雨漏りなどの被害が無くても、予防的に更新・修繕工事を実施することを強くおすすめします。
専門工事業者に調査を依頼
ベランダ防水の状況を正確に把握し、適切な修繕方法を選ぶためには、専門工事業者による調査が不可欠です。
専門業者は目視による検査だけでなく、打診や触診などさまざまな方法を用いてより詳細な調査を行います。
調査後、建物の状況に合わせた提案を含めて修繕見積を依頼するようにしましょう。
ベランダ防水の修繕はDIYでも可能?
ベランダ防水の修繕は、防水材の選定に専門的な知識が必要であり、施工にも専門技術と細心の配慮が必要なため、DIYで行うことはおすすめしません。
高所作業や有機溶剤を使用する工程もあり、安全にも注意を払わなければなりません。そのため、一般の方が安易に手を出さないほうが賢明です。
ベランダ防水の業者選びで失敗しないためのポイント
ベランダ防水の施工業者を選ぶ際には、次のような基準で判断すると失敗しにくいでしょう。
✅専門資格を保有しているか
防水や塗装は専門的な知識と熟練の技術が必要とされるため、国が認定する資格制度が用意されています。
「防水施工技能士」「塗装技能士」の資格を所有する職人が在籍する会社は、一定の信頼が置けると言えます。
また、工事金額が500万円を超える比較的規模の大きい工事では「建設業許可」が必要になります。
✅豊富な施工実績
多くの施工実績を持つ業者は、様々な状況に対応できるノウハウを持っていると考えられます。
特に地元密着型の業者は、その地域の気候的な特性も熟知しており、施工後もメンテナンスの発生が少ない傾向があります。
✅調査・見積は無料か
多くの業者は、初回の調査や見積もりを無料で提供していますが、中には困りごとに付け込んで高額な点検料を調査後に請求してくる悪質な業者も存在します。
調査を依頼する際には、費用について必ず確認するようにしましょう。
✅保証期間とアフターフォロー
適切な施工をされた防水工事は、防水材メーカーの10年保証が設定されている場合が多くあります。
ただ、これは防水材そのものの性能を保証するものであって、施工不良には当然適用されません。
アフターフォローのことも考えると、施工後も確実に連絡が取れ、顔の見える関係を維持できる業者を選んでおくと間違いありません。
まとめ
今回はベランダ防水の劣化症状とその対策について詳しく解説しました。
防水工事は専門的な知識と技術を要する工事であり、施工できる業者も限られます。
大阪府八尾市に拠点を構える池本塗装では、国家資格を持つ専門技術者による確かな技術をベースにした豊富な施工実績があります。もちろん調査と見積りは無料ですので、ご安心ください。
屋根や外壁の塗装メンテナンスと同時に防水工事も実施が可能ですので、まずはお気軽にご連絡ください。