八尾市の塗装職人、池本塗装が教える知っておきたい屋根修理の豆知識

知っておきたい塗装の豆知識

外壁の「モルタル」と「サイディング」の違いや特徴について解説

 

モルタル

今回の記事では、「モルタル」「サイディング」の材料の特性、劣化の兆候、補修の方法など、具体的にどのように選ぶべきかを、専門的な視点からわかりやすく解説します。

外壁の選定は、建物の耐久性、外観、メンテナンスの要件に大いに影響します。特に「モルタル壁」と「サイディング」は、各々独特の特性と劣化症状、補修方法を持ち、選択には慎重な検討が求められます。

この記事では、モルタル壁がその強固さと古典的な外観で重厚感を提供する一方、サイディングは軽量でデザインの多様性に富んでいることを解説します。どちらを選ぶかは、建物の用途、予算、地域の気候など、多岐にわたる要因により異なりますので、外壁工事を検討されている方は理解しておくべき内容となっています。

モルタル壁とサイディングの基本解説

サイディング

モルタル壁の概要

材料と構造

モルタル壁とは、セメント、砂、水を主成分とする建材を塗り固めて作られる壁のことを指します。モルタルの厚さは一般的に10〜30mmで、骨組みの上に塗られます。この壁は、外部からの水分や風を防ぎ、家を保護する役割があります。

モルタルはコンクリート材と同じく、水分の含有量や骨材の分布、練り混ぜる時の環境など、多くの要素が後の強度へ影響を及ぼすため、施工の際は熟練の技術が求められます。

さらに、モルタルは太陽光や雨水により徐々に劣化が進むため、定期的なメンテナンスや塗り替えが必要です。耐久性を保ちつつ、デザイン性も高く、様々な風合いや質感が楽しめるのが特徴です。

利用場所と長所

その長所は、耐久性が高く、天候や紫外線に強いこと。また、自然な風合いがあり、デザイン性が高いため、和風やモダンな建物に適しています。

モルタル壁は、塩害や湿気が多い地域でも性能を維持し、年月とともに味わい深く変化するため、海沿いの住宅や歴史的建物のリノベーションにもよく利用されます。適切に部分的な塗装や補修メンテナンスで、その強度を長期間保つことが可能です。

サイディングの概要

材料と構造

外壁のサイディングは、家の美観と保護のための主要な部材です。サイディングの材料としては金属製、セメント系などがあります。これらは耐久性やデザインの幅に特徴があります。サイディング板の裏には断熱材や防水シートが配置され、家を冷暖房効果や雨水から守ります。構造上、サイディングは水平あるいは垂直に取り付けられ、ホールドダウンやジョイント部材でしっかりと固定されることで、長持ちする外壁となります。

利用場所と長所

サイディングの最も大きな特徴は工事のコストが低く済む点です。そのコストの低さにより、現在では外壁材の主流となり、全体の7〜8割のシェアを誇ります。

その他の長所として、耐候性とデザインの豊富さがあります。サイディングは、紫外線や雨風に強く、長期間美しい状態を維持でき、建物のイメージに合わせた様々な種類・デザインのサイディングがあり希望に沿った美観を叶えることが可能です。

モルタル壁の特徴と劣化症状

特徴

耐久性と強度

モルタル壁はセメントベースで強固な構造を有しており、耐震性や耐火性にも優れています。重厚感があり、高い防音性も特徴の一つです。

また、サイディングのように外壁同士の継ぎ目(目地部分)がなく、コーキングの補修が不要です。

メンテナンスの容易さ

日常のメンテナンスは容易とは言えません。紫外線や雨風による劣化、ヒビ割れが生じやすく、それらを放置すると防水機能が低下し大きなダメージとなります。定期的な点検や塗り替えが必要となるため、プロの塗装業者の意見や提案を取り入れることが大切です。適切なケアで、モルタル壁の美しさを長持ちさせることができます。

劣化症状とその原因

亀裂と剥がれ

モルタル壁は、耐久性に優れているものの、長期間の使用や天候の変化によってき裂や剥がれが生じることがあります。き裂は、建物の収縮や地盤の沈下、外部からの衝撃などが原因で発生します。また、剥がれは、経年劣化や下地の不良、塗装の過度な重ね塗りなどが主な原因です。これらの問題を放置すると、モルタル壁の寿命が短くなり、さらに大きな修繕が必要になる可能性があります。

参考サイト▷外壁のひび割れ(クラック)の原因は?危険度や対処法をわかりやすく解説

対策・予防法

予防策として、定期的な壁の清掃と、紫外線や雨水に強い外壁塗料を使用しての塗り替えが効果的です。特に、高品質なシリコン樹脂塗料やフッ素塗料は、長期的な保護を提供し、モルタル壁の寿命を延ばすのに役立ちます。定期的な点検とメンテナンスで、美しさを長持ちさせましょう。

補修方法

手順と必要な工具

モルタル壁の補修は、住宅の美観を保つだけでなく、長持ちさせるための重要な手順です。補修の手順は以下の通りです。

1:下地処理: 古い塗料や浮きをワイヤーブラシで取り除きます。

2:補修材塗布: ひび割れや穴を専用のモルタル補修材で埋めます。

3:下塗り: 均一な吸水を目指してシーラーを塗布します。

4:仕上げ塗装: 最終的に外壁塗料を均等に塗布します。

必要な工具は、ワイヤーブラシ、ヘラ、ブラシやローラー、シーラーなどです。適切な手順と工具で、壁をきれいに保ちましょう。

補修費用の目安

モルタル壁は、経年や気象の影響でダメージを受けやすい箇所が出てきます。補修の際の費用の目安は、補修範囲やダメージの深さ、使用する材料や業者により変動しますが、一般的には、平方メートルあたり10,000円〜30,000円が相場とされています。

小さなひび割れやカビの処理なら費用は下限に近いですが、大きなダメージや表面の再塗装を伴う場合は、上限近くになることも。必ず複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

<モルタル壁の施工事例>

大阪府八尾市にて外壁塗装・クラック補修

サイディングの特徴と劣化症状

特徴

デザインの多様性

特に、サイディングのデザインは驚くほどの多様性を持っています。サイディングとは、家の外壁に貼り付ける板状の材料を指し、保護とデザインの両方の役割を果たします。

従来の平滑な仕上げだけでなく、木目調や石模様、さらにはテクスチャーの異なる表面まで、選択肢は無限大です。

施工の容易さ

その施工の大きな魅力は「容易さ」にあります。従来のモルタルやタイルに比べ、軽量で取り扱いやすく、専用の部材を用いることで短時間での施工が可能となります。さらに、ジョイント(継ぎ目)部分の処理も簡単で、均一な仕上がりを得られるため、外観の美しさも実現します。

劣化症状とその原因

色褪せと変形

外壁のサイディングは、家を美しく保ち、天候や紫外線から守る役割を果たします。しかし、長期間の暴露により、「色褪せ」・「チョーキング現象」・「変形」が生じることがあります。

「色褪せ」とは、紫外線や雨風により塗料やサイディング自体の色が薄れる現象です。特に日光の強い場所では、UVカット機能を持った塗料やクリアコートの使用が推奨されます。

「変形」とは、熱や湿度の変動でサイディング板が歪むこと。これは、熱膨張や収縮が繰り返されることで起こります。定期的なメンテナンスや、耐候性の高いサイディング材の選択が対策となります。

参考サイト▷外壁のチョーキング(白亜化)現象はなぜ起こる?原因や補修費用は?

対策・予防法

劣化の予防としては、定期的な点検と適切なクリーニングが効果的。汚れやカビが付着すると劣化が早まるため、専門のクリーナーで綺麗に保つことが大切です。また、数年に1度の塗り替えも劣化を抑える鍵となります。特に高品質の塗料を選ぶことで、保護効果が増し、美観も長持ちします。サイディングの劣化を遅らせるため、専門家と相談しながらメンテナンスを行いましょう。

補修方法

手順と必要な工具

サイディングの補修は、美観と機能を維持するための大切な作業です。以下はその手順と必要な工具です。

1:目視確認: サイディングの損傷や剥がれを確認。

2:清掃: 損傷部分の汚れやゴミをブラシやクリーナーで取り除く。

3:下地調整: ペーパーでサイディングの表面をやすり、アクリル系下塗りを塗布。

4:補修材塗布: シーリング材を用いて、亀裂や穴を埋める。

5:上塗り: 色合わせをして、アクリル系塗料で仕上げる。

必要な工具: ブラシ、ペーパー、シーリングガン、ペンキローラー

補修費用の目安

補修費用はダメージの規模や業者の料金体系により異なります。

一般的に、小さなひび割れやキズなら、1平方メートルあたり5,000円〜10,000円程度が目安です。しかし、大きなダメージや広範囲の補修が必要な場合、その費用は上昇します。補修を検討する際は、複数の業者から見積もりを取得し、価格とサービスを比較することが大切です。早めの対応で、将来的な大きな修繕コストを防ぐことができます。

<サイディング壁の施工事例>

八尾市にて外壁塗装・屋根塗装(雨漏り修理と付帯部塗装)

モルタル壁とサイディングの違い

モルタル壁とサイディングの主な違い

現在は、そのコストと施工の容易さから主流となっているサイディングですが、モルタル壁にしかないデザイン性などもあり、どちらを選ぶかは顧客のニーズに合わせて自由に選択できます。

では、どんなニーズに適性があるのかを以下で紹介しましょう。

選択のポイント

モルタル壁とサイディング、どちらを選ぶべきかは、デザインと予算の観点から検討することが重要です。

モルタル壁

デザインの観点から見ると、モルタル壁は伝統的な外観を持っており、質感や色の選択の幅も広いです。自然な風合いや独特の質感を求める場合には良い選択となります。ただし、設置やメンテナンスのコストは比較的高くなることが考えられます。

サイディング

サイディングは軽量で、取り付けやメンテナンスが比較的簡単。デザインのバリエーションも豊富で、現代的な外観を求める場合に適しています。予算の観点からは、サイディングの初期費用やメンテナンス費用はモルタル壁よりも抑えられる傾向にあり、コストを押さえたい方には良い選択となります。

専門業者の相談

最終的な選択は専門業者との相談により決定するのが最良です。希望の外壁の性能が、立地上の環境や建物の構造を含めた上で、本当に適しているかを判断するには、専門の知識と経験が不可欠です。

長期的な視点

外壁材の選択は長期的な視点が必要で、初期費用だけでなく、メンテナンスの頻度や耐久性なども考慮に入れると良いでしょう。やはり、こちらも事前に施工業者と相談して選択することをおすすめします。

▷なぜ外壁塗装は必要なの?塗装のプロが解説します!

▷放置は絶対にNG!外壁の塗り替え目安となる劣化症状とは?

まとめ

本記事では、モルタル壁とサイディングの特性、それぞれの劣化症状、そして補修方法について解説しました。それぞれの特徴である、モルタル壁の耐久性と防音性、サイディングのデザインの多様性と施工の容易さは、充分理解していただけたと思います。

さらに、モルタル壁とサイディングの主な違いと選択ポイントについても触れ、それぞれの特性を理解し、自分の住まいや建物に最適な選択をすることが重要であるというないようでした。

そして最後に、劣化症状の早期発見と適切な補修方法の重要性を説明しました。

まずは施工前に、長期的なメンテナンスや補修についてよく施工業者と相談することが大切であり、劣化への対応はモルタル・サイディング共に早期発見による対応が大切な要因でありました。

今回の記事の内容が、皆様のお役に立てれば幸いです。

この記事は私が監修しました

池本塗装代表:池本 竜也

池本塗装代表:池本 竜也

塗装職人歴15年、1級塗装技能士・2級施工管理技士取得。一級技能検定にて優秀賞受賞、塗装技能大会にて大阪府知事賞、大阪代表の塗装職人として全国大会出場など。安心した塗装をご提供できるように日々技術を磨いています。

LINEでかんたん問い合わせ
&カラーシミュレーション