八尾市の塗装職人、池本塗装が教える知っておきたい屋根修理の豆知識

知っておきたい塗装の豆知識

アステックペイントの遮熱塗料「スーパーシャネツサーモ」とは?性能や特徴について

夏場の住宅温度の上昇を防ぐ対策として、遮熱塗料の人気が高まっています。数多くの遮熱塗料が販売されており、選びきれないという方には、アステックペイントのスーパーシャネツサーモシリーズがおすすめです。この記事では、スーパーシャネツサーモシリーズの性能や特徴、メリットとメカニズムを解説します。屋根の塗装時期が近づいている方や、スーパーシャネツサーモシリーズを詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

スーパーシャネツサーモとは

スーパーシャネツサーモは、オーストラリア発の塗料メーカーである株式会社アステックペイントが製造・販売する屋根用遮熱塗料です。チタン複合特殊無機顔料の使用により、高遮熱性・高耐候性・高変褪色防止性を持つ遮熱塗料で、スーパーシャネツサーモシリーズとしてシリコン塗料のスーパーシャネツサーモSiと、フッ素塗料のスーパーシャネツサーモFの二つがラインナップされています。

遮熱塗料とは

遮熱塗料とは、太陽光に含まれる赤外線を高効率で反射させる効果を持たせた塗料です。塗装物の表面温度の上昇をゆるやかにすることで、内部の過度な温度上昇を防ぐことを目的とした塗料です。主に住宅や工場、倉庫などの屋根や外壁に使用され、夏場の激しい直射日光への対策として用いられるケースが多い傾向にあります。高日射反射率塗料とも呼ばれている遮熱塗料は、日本産業規格(JIS規格)において試験方法や評価基準が定められており、JIS認定を取得した遮熱塗料は、一定の性能や品質が認められた証でもあります。また、地方自治体や国が取り纏める省エネ・環境対策技術に認定されており、塗装工事における助成金の申請を行える場合もあります。

シリコン塗料とフッ素塗料の違い

前述の通り、スーパーシャネツサーモシリーズには、シリコン塗料のスーパーシャネツサーモSiと、フッ素塗料のスーパーシャネツサーモFの二つがラインナップされています。シリコン塗料とフッ素塗料の大きな違いは、主原料と耐久性の違いです。主原料にシリコン樹脂を使用したシリコン塗料は、耐久性と価格のバランスが良く、現在使用されている塗料のなかで、もっとも使用率の高いスタンダードな塗料です。主原料にフッ素樹脂を使用したフッ素塗料は、非常に高い耐久性を持ちますが、シリコン塗料に比べて価格が高額です。シリコン塗料のスーパーシャネツサーモSiの耐用年数は13~16年フッ素塗料のス-パーシャネツサーモFの耐用年数は16~20年です。

スーパーシャネツサーモのメリットとメカニズム

スーパーシャネツサーモのメリットとメカニズムは次の通りです。

✅高い遮熱性
✅高い耐候性
✅高い変褪色防止性

高い遮熱性

太陽光に含まれる近赤外線は、照射したものの表面温度を上昇させます。とくに、夏場などは屋根の表面温度が上昇しやすく、炎天下においては70~80℃といった高温になる場合も珍しくありません。屋根の表面温度が上昇すれば、屋根裏や2階の部屋にも熱が伝わり住宅内の温度も上昇するため、冷房の効率も悪化してしまいます。スーパーシャネツサーモシリーズは、特殊無機顔料により効率的に近赤外線を反射する作用があるため、夏場の屋根表面温度の上昇をゆるやかにする効果があります。

とくに、屋根に使用されやすい色である黒や紺、深緑は濃色なため、近赤外線を吸収しやすく屋根表面温度が上がりやすいといったジレンマがありました。スタンダードな黒色着色顔料である「カーボンブラック」の平均日射反射率が6%であるのに対し、スーパーシャネツサーモシリーズに使用されているチタン複合特殊顔料では、46%の平均日射反射率があります。

アステックペイントによる遮熱性能比較テストでは、外気温29℃の屋根において、スーパーシャネツサーモシリーズを塗布した面と塗布しない面の表面温度を比較した結果、塗布した面では40.1℃、塗布しない面では55.8℃と、15.7℃の温度差が生まれました。この比較テストからも、スーパーシャネツサーモシリーズの高い遮熱性が分かります。

高い耐候性

耐候性は、太陽光や風雨などから受ける影響に耐え、劣化を抑える性能です。太陽光に含まれる紫外線は、塗装の分子を破壊する強いエネルギーを持っているため、屋根や外壁などに使用されている塗装にとってとても厄介なものです。とくに、住宅を守るように高い位置にある屋根は、紫外線や風雨の影響を受けやすいため、最も過酷な部分でもあります。屋根が破損してしまえば住宅全体の寿命を縮めてしまうことになりかねないため、屋根の耐候性を向上させることは住宅全体の寿命を延ばすことに繋がります。

スーパーシャネツサーモSiの主成分であるシリコン樹脂は、無機物のガラスや鉱石などと同じ構造である「シロキサン結合」を中心に結合されているため、紫外線などの劣化要因に強い特徴があります。スーパーシャネツサーモFに使用されているフッ素樹脂には「4Fフッ素樹脂」が使用されています。従来のフッ素樹脂には塩素原子が含まれていましたが、紫外線の影響を受けやすいため、劣化に弱い弱点がありました。そこで、紫外線の影響を受けやすい塩素原子を、紫外線の影響を受けにくいフッ素原子に置き換えて、炭素-フッ素結合(C-F結合)させることにより、従来のフッ素樹脂を凌ぐ耐久性を実現させたものが4Fフッ素樹脂です。

また、スーパーシャネツサーモシリーズの高い耐候性には、ラジカル制御技術が採用されていることも強く影響しています。塗料に含まれる顔料の主成分である酸化チタンは、紫外線を受けると劣化因子である「ラジカル」を発生させます。ラジカルが拡散されると樹脂の結合を破壊するため、塗膜が劣化する要因になります。スーパーシャネツサーモシリーズに採用されているラジカル制御技術は、ラジカルの発生を抑え、ラジカルが発生した際には顔料を覆うシールド層により放出を防ぎます。

▷ラジカル制御型塗料ってどんな塗料?特徴やメリットやデメリットについて解説!

高い変褪色防止性

遮熱塗料の多くに使用されている顔料は、有機顔料を混ぜ合わせてさまざまな色を作り出しています。屋根や外壁の変褪色は、この有機顔料が紫外線によって破壊されることで発生します。スーパーシャネツサーモシリーズは、有機顔料に変わってチタン複合特殊無機顔料を使用しているため変褪色が起こりにくく、塗装後の鮮やかな色彩を長期間保つ特徴があります。

アステックペイントによる変褪色防止性能比較テストでは、95.6%以上の特殊無機顔料を使用しているスーパーシャネツサーモシリーズと従来の遮熱塗料に、促進耐侯試験機により大量の紫外線を照射するテスト(スーパーUV試験)を行いました。860時間照射した結果、従来の遮熱塗料では色差2.3、スーパーシャネツサーモシリーズでは目視による色の違いが判定できないレベルである色差1.0未満と、従来型の遮熱塗料に比べて高い変褪色防止性能を持つことが実証されました。

▷遮熱塗料ってどんな塗料?特徴やメリット、デメリットを解説

屋根を再塗装する最適なタイミングは?

屋根を再塗装する最適なタイミングは次の通りです。

✅施工から10年以上経過している
✅屋根塗装の劣化が進んでいる
✅外壁塗装の時期が近い

施工から10年以上経過している

使用した塗料にもよりますが、新築や前回の塗り替えから10年以上経過しているようであれば、塗り替え時期が近いと考えて良いでしょう。塗料によっては20年ほどの耐用年数を持つものもあるため、次に解説する屋根の劣化具合と合わせて検討しましょう。

屋根塗装の劣化が進んでいる

屋根の褪色やツヤの低下、チョーキング、苔・藻の繁殖などの症状が現れてきたら塗り替えを考える時期です。塗膜の防水性能が切れると劣化が一気に進むケースが多いため、一度専門業者に点検してもらうのがおすすめです。

外壁塗装の時期が近い

屋根の塗装時期が外壁塗装の時期と近い場合、同時に行うと足場台の節約になるためおすすめです。屋根と外壁の塗装を同時に行うことで、本来それぞれの塗装に掛かる足場の設置費用が一回で済みます。

▷なぜ外壁塗装の足場は必須なのか?その理由を徹底解説します!

まとめ

この記事では、スーパーシャネツサーモシリーズの性能や特徴、メリットとメカニズムを解説しました。チタン複合特殊無機顔料を採用したスーパーシャネツサーモシリーズは、遮熱性・耐候性・変褪色防止性において高い性能を発揮します。シリコン塗料のスーパーシャネツサーモSiとフッ素塗料のスーパーシャネツサーモFの二つがラインナップされており、4Fフッ素樹脂やラジカル制御といった、耐久性を向上させる技術がふんだんに取り入れられています。自社テストでは、従来の遮熱塗料と比べて高い耐久性を持つことが証明されており、JIS認定にも合格しています。価格と耐久性のバランスを取りたい方はスーパーシャネツサーモSiを、さらに長い耐用年数を求める方はスーパーシャネツサーモFを選択するのがおすすめです。

職人直営店、池本塗装では大阪八尾市を中心に、屋根・外壁塗装、防水処理など数多くの施工を行ってまいりました。屋根の劣化はなかなか気がつきにくいものです。高所にあるため目が行き届かず、劣化が進行してしまうケースも多くあります。新築から一度も再塗装をされていない方は、この機会に点検をおすすめします。屋根の点検は池本塗装までお気軽にお問い合わせください。お待ちしております。

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この記事は私が監修しました

池本塗装代表:池本 竜也

池本塗装代表:池本 竜也

塗装職人歴15年、1級塗装技能士・2級施工管理技士取得。一級技能検定にて優秀賞受賞、塗装技能大会にて大阪府知事賞、大阪代表の塗装職人として全国大会出場など。安心した塗装をご提供できるように日々技術を磨いています。

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