「一級塗装技能士」とはどんな資格?塗装会社を決める判断になる?
技能士とは、技能検定に合格した人物に与えられる国家資格です。名称独占資格であるため、検定に合格せずに名乗った場合は法律により罰せられる資格でもあります。一級塗装技能士は、塗装技能士の中でもっとも取得が難しい等級ですが、平均合格率はおよそ50%ほどで、毎年二人に一人が合格しています。
この記事では、一級塗装技能士とはどんな資格なのか、塗装技能士の概要、優良な塗装業者を見極める資格以外のポイントなどを解説します。一級塗装技能士について詳しく知りたい方、どの業者に塗装を依頼するか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
一級塗装技能士とはどんな資格?
一級塗装技能士は、厚生労働省が認定する技能検定制度の一種で、国家資格です。技能検定は、さまざまな分野で働く人々が有する技能を、一定の基準を設けて検定することにより技能に対する社会的評価を高め、働く人々の地位と技能の向上を図る目的があります。塗装技能士資格を持つ事で、国が認める知識や技術力を持っている証明になるため、塗装工事を依頼する側にとっては、分かりやすい一つの目安になります。また、塗装業者にもよりますが、資格手当として給与に反映されるケースや、塗装技能士が在籍することで、規模の大きな塗装工事の受注に繋がることもあります。
塗装技能士の概要
塗装技能士検定は、一級・二級・三級があり、それぞれの等級で受験できる条件が異なります。また、塗装を施す対象別に次のように分けられています。
・木工塗装作業
・建築塗装作業
・金属塗装作業
・噴霧塗装作業
・鋼橋塗装作業
一般的な住宅の外壁塗装や屋根塗装は、「建築塗装作業」に該当します。一級塗装技能士試験には学科試験と実技試験があり、学科試験の合格ラインは65点以上、実技試験の合格ラインは60点以上となっており、学科試験・実技試験の両方に合格する必要があります。
一級塗装技能士の取得が簡単ではない理由
一級塗装技能士の取得が簡単ではない理由は次の通りです。
・勉強が必要
・受験には一定の条件を満たす必要がある
・普段の業務で使わない技術の習得が必要
・試験は年に一回しかない
勉強が必要
当たり前の事になりますが、一級塗装技能士の取得には勉強が不可欠です。学科試験・実技試験の両方に合格する必要があり、学科試験には、塗装工事を行う上で必要になる知識を元にした、さまざまな問題が出題されます。普段の塗装業務では、通称で呼んでいた道具なども、正式名称を記述し答えなければなりません。また、普段の仕事をこなしつつ、勉強の時間も確保しなければならないため、合格には高いモチベーションと信念が必要になるでしょう。
受験には一定の条件を満たす必要がある
一級塗装技能士を受験するためには、専門学校などを卒業していない場合、7年の実務経験(2級合格後2年以上の実務経験・3級合格後4年以上の実務経験)が必要です。必要な実務経験の年数は、卒業した学校によって異なり、専門高校・専修学校卒業で6年の実務経験、短大・高専・高校専攻科卒業などで5年の実務経験、大学卒業などで4年の実務経験が必要です。いずれにしても長い実務経験が条件になっているため、塗装業者などに従事し、技術・知識を学びながら受験を目指すケースがほとんどです。
普段の業務で使わない技術の習得が必要
一級塗装技能士試験には、普段の塗装業務ではあまり使用されなくなった技術の実技試験があります。例えば、色と色を混ぜ合わせ、任意の色を作る「調色」や、スプレーガンに色を入れ、吹き付けて染色する「吹き付け」などです。現在は、塗装対象である外壁材・屋根材の進化や、効率的な塗装方法の確立によって調色や吹き付けはあまり使用されなくなりした。普段の業務ではこうした技術の向上は難しいため、実技試験に向けた自主的な練習が必要不可欠です。
試験は年に一回しかない
一級塗装技能士試験は、年に一回のみ実施されます。学科試験・実技試験のどちらか片方のみ合格した場合は、次回以降の試験で合格した試験は免除されます。不合格であれば次の年まで待たなければならないため、年に一回のチャンスしかありません。合格率は50%ほどなため、二回試験を受けて合格し、一級塗装技能士となるケースが多いようです。
一級塗装技能士は塗装業者を選ぶ判断基準になる?
一級塗装技能士は、塗装業者を選ぶ際の一つの判断基準になると言って良いでしょう。塗装業者が塗装業務を行うにあたって、特別な資格はいりません。加えて、一級塗装技能士を取得していないからといって、塗装技術が低いという証明にはなりません。ですが、一級塗装技能士を持つということは、国が定めた一定の基準である学科試験や実技試験を、勉強し、技術を高め、合格したという証明になります。塗装を依頼する立場から見れば、どの塗装業者が、優れた技術や知識を持った業者なのか、外から見ただけでは判断できません。その点、一級塗装技能士を有する業者であれば、一定以上の知識や技術を持つ証明になり、安心して塗装業務を依頼できることに繋がるため、塗装業者を選ぶ一つの判断基準になります。
優良な塗装業者を見極める資格以外のポイント
優良な塗装業者を見極める資格以外のポイントは次の通りです。
・現地調査が丁寧
・見積もりが詳細
・口コミで良い評判が広まっている
・要望に合わせた提案をしてくれる
現地調査が丁寧
外壁塗装や屋根塗装を業者へ依頼すると、まず初めに現地調査を行います。現地調査で確認する項目は、主に次の6つです。
①塗装対象である外壁や屋根の素材や劣化状態の確認
②外壁・屋根に付随する設備の劣化状態の確認
③建物図面や築年数・修復歴の確認
④塗装面積の算出
⑤要望事項の聞き取り
⑥施工住宅の周辺環境の確認
上記のように現地調査では、正確な見積もりを提示するために、実際に塗装工事をする際に必要なさまざまな情報を収集します。所要時間は、住宅の大きさや塗装箇所にもよりますが、1時間〜2時間程度です。そのため、塗装箇所が多いにも関わらず、あまりにも短時間で現地調査が終わるような業者は、きちんと住宅の状態を見ていない可能性があります。業者によっては現地調査報告書を作成してくれる場合もあるため、住宅の状態に基づいたものになっているか確認しましょう。
見積もりが詳細
現地調査に基づいて作成される見積もりですが、詳細な記載があるかどうかも重要なポイントです。例えば、使用する塗料には数多くの種類があり、メーカーやグレードによって金額が異なります。「シリコン塗料」など、大まかな種類しか記載されていない場合には、注意が必要です。
口コミで良い評判が広まっている
もっとも判断しやすいのが、実際に塗装工事を依頼した人からの口コミです。地域に根ざした優良な塗装業者は、口コミにより評判が広まり、新たな仕事を受注するといった良いサイクルがあります。もし、お住まいの地域に評判の良い塗装業者が無ければ、インターネットでの口コミを参考にする方法もあります。まずは、周囲の人に、実際に塗装工事を依頼した人がいないか聞いてみることをおすすめします。
要望に合わせた提案をしてくれる
依頼主の要望に合わせた提案をしてくれる業者も、優良な塗装業者である可能性が高いです。例えば、予算の関係で悩んでしまうような場合には、使用できる塗料の範囲内で価格の安いものに変更したり、外壁と屋根の塗装を一緒に行うことで足場台を節約する、などがあります。ただし、安ければ安いほど良い業者という訳ではありません。外壁や屋根塗装は、施工する住宅一軒一軒の劣化状態や、使用している素材によって塗装費用が異なりますが、大きく値引きができるようなものではありません。相場に比べて、あまりにも低価格の見積もりになっているような場合には注意が必要です。
まとめ
この記事では、一級塗装技能士とはどんな資格なのか、塗装技能士の概要、優良な塗装業者を見極める資格以外のポイントなどを解説しました。一級塗装技能士は、学科試験・実技試験の両方に合格する必要があります。受験には一定の実務経験が必要になり、実技試験では普段の業務では使用しない技術の習得が不可欠です。
優良な業者を見極めるには、現地調査の丁寧さ、詳細な見積もり、実際に塗装を依頼した人の口コミなどのポイントがあります。一級塗装技能士の資格を有し、さらに、これらの条件と重なる塗装業者が、優良な業者である可能性が高いと言えます。
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