外壁に発生するカビや苔の原因と対策方法・外壁塗装の重要性を知ろう!
今回の記事では、外壁に繁殖するカビや苔が発生する原因と、発生してしまった場合の除去方法や、予防方法を紹介します。
外壁にカビや苔が繁殖して、緑色に変わってしまった住宅やマンションを、見たことがある方も多いと思います。
一般の方は見た目が悪い、老朽化して見えるといった外見の部分に問題を感じると思いますが、実は美観以外にも問題点はあります。
外壁塗装を劣化させ、建物の耐性を弱めることで、カビや苔の除去に加えて外壁塗装もやり直さなくてはならない、といった状況になってしまう恐れもあります。
そうなると工事費用も高額になって大変です。
やはりカビや苔を発生させない為の環境作りと予防、そして発生すれば放っておかずに、早期に対策をとることが大切です。
しかし、具体的な予防や対策がわからない方が多いと思いますので、以下からは詳しく説明していきます。
カビと苔が発生する原因
外壁に発生するカビや苔の除去、発生の予防を効果的に行うために、まずは、カビや苔の性質や特徴はどういったものかを知り、発生する原因を説明します。
カビは湿気を好む
カビは、菌類の仲間で菌糸と呼ばれる糸状の細胞からなり、胞子によって増殖する菌類です。高温・高湿度で栄養分のある場所を好みます。
逆に、日当たりの良い場所や、風通しが良く乾燥している場所では、発生しにくい特徴があります。
また、カビは黒っぽい色のものの他に、赤色・白色のものもあります。
美観を損ねる
カビは、条件が揃えば簡単に繁殖してしまいます。
実際には築年数が経っていない建物でも、カビが繁殖していることで老朽化した建物のように見えてしまいます。
アレルギーの原因物質
カビの胞子が含まれる空気を吸い込み続けることで、アレルギーを引き起こす場合があるので注意が必要です!
人によって差はありますが、主にせきや鼻炎・皮膚のかゆみといった症状を引き起こします。気管支系統に疾患を持っておられる方は重症化する恐れもあります。
苔は植物
苔はカビのような菌ではなく、植物の1種です。
カビは根のない植物であることから、条件が揃えば外壁など土がない場所でも繁殖できるという特徴があります。
また、多くの植物が水を蓄えるための根が苔にはない為、体全体に水分を吸収する性質があり、保水力が高いのも特徴です。
生息範囲が広い
カビと同様に高温多湿の環境を好みますが、大きく違う点は、苔は植物なので日当たりが良い場所でも繁殖が可能です。
また、光合成が行えるので微量の水分があれば生息できる特徴があります。
逆に、全く日光が届かない場所では生息することができません。
カビや苔が発生する原因と条件
高温多湿
カビや苔が発生する原因で、まずはじめに出てくるのが、高温多湿で暗い場所です。
室外機付近や、物置が外壁に密着してしまっている所などでは、日光が当たらずにカビにとっては絶好の環境ができてしまいます。
建物の立地
カビや苔は本来、木々や川といった自然の中に多く生息します。 建物の付近に木々が立っていたり、田んぼや川があったりすると、そこから外壁にカビや苔が移ってしまう可能性があります。
外壁の形状
建物の外壁のデザインが溝が入っている作りであったり、表面に凹凸があるような外壁の場合は、溝や凹凸に影が出来てそこに湿気が貯まるので、カビや苔が発生しやすくなります。
結露の発生
季節によって日中と夜の気温変化が激しい場合には、空気中の水分が結露してカビや苔が繁殖する原因になります。
断熱材などが使われている外壁は、建物の内部と外部の気温差が大きくなる為、特に冬場は結露が発生する可能性が高くなるという特徴があります。
外壁の劣化
建物の経年劣化や、外壁塗装の劣化によって、外壁の含水率が高くなってしまうとカビや苔が繁殖し、ますます外壁の劣化に繋がる悪循環となってしまいます。
<カビや苔が原因による施工事例>
予防と対策
カビやコケが発生しやすい環境や原因は理解できました。
では、実際に発生してしまったらどうすればいいのか?
まずカビと苔の特性として、放っておいても知らない間にカビや苔がなくなってくれるということは、まず期待できないということを理解しておいて下さい。
特に苔は植物であるため、1年の決まった時期に胞子が飛散する繁殖期がある、という点に加えて、生息に厳しい環境になれば微量の水分で冬眠状態に入り、また繁殖に適した環境になるのを待って生き延びる、という特徴があるのでやっかいです。
カビやコケを除去してキレイな外観と建物を守るために、ご家庭でもできる予防方法と対策をいくつか紹介します。
自分で出来る予防・対策
●45度以上の手で触れるギリギリの熱さのお湯を、やわらかいタオルやスポンジに含ませて、外壁の拭き掃除を行う。(月に1回程度)
外壁を傷つけないように、必ずやわらかいモノを使用し力を入れて擦らないこと。
●水道水などの水に酢を10倍程度に薄めて混ぜる。
やわらかいタオルや刷毛を使って外壁に塗布することで、カビや苔の発生を予防する効果があります。
また、軽度のカビや苔ならこれで除去することも可能です。
●市販のカビ・苔除去剤やクリーナーを使用して除去する。
自分で外壁のカビや苔を除去して際に、水で洗い流した時の外壁の状態が、水をはじいているならまだ外壁塗装の効果があり、逆に水のはじきが悪いようだと、外壁塗装の耐性が落ちてきているという目安にもなります。
いずれにしても、カビや苔の繁殖が軽度のものなら、上記の方法でカビや苔の除去が出来る可能性がありますが、強く擦りすぎて外壁を傷めてしまうこともあるので注意が必要です。
軽く拭いても全くカビや苔が落ちない時や、高い場所で手が届かないといった時は、無理はせずにプロの業者に除去と予防を依頼しましょう。
業者に依頼する場合は、高圧洗浄やバイオ洗浄でカビや苔を除去することが多いですが、あまりにも放置された期間が長く、根が深い苔は完全に除去するのはプロでも難しい場合があります。
外壁全体の除去をする場合の高い場所での除去作業は、足場を仮設しての作業となりますので、カビや苔の除去に加えて、外壁塗装や防水工事などの施工も必要であれば行うことをおすすめします。
分けて工事をするよりも、コストパフォーマンスのよい建物の保全が可能です。
まとめ
今回の記事では、外壁に発生するカビや苔の発生原因と対策や予防方法をご紹介しました。
カビや苔が発生する原因としては、まず外壁の環境が高温多湿であったり風通しが悪いかどうか。そして建物周辺の状況はどうか。
たくさんの木々に囲まれていたり、川がすぐ近くにあったりすると、そこで繁殖したカビや苔が建物に移ってしまう可能性もあるということ。
そして外壁自体が経年劣化して含水率があがることで、余計にカビや苔が繁殖しやすくなって悪循環に陥るということを覚えておいて下さい。
これらが原因となりカビや苔が発生すると、早期の対応で軽度の繁殖であれば、自分で除去と予防ができる可能性はあります。
しかし、重度に繁殖している場合はプロに除去を頼み、外壁塗装の塗り替えも含め、建物を保全していきましょう。
カビや苔が建物に影響を与えるのは、短期間に起こることではありません。
しかし、何もせず放っておくと、美観を損ねるのはもちろん、長い目で見れば外壁の塗装の耐久性や、建物自体の劣化にまで影響を及ぼすことにもなりかねないので、やはり日頃のチェックと早期の対応が肝心です。
今回の記事をご覧になった方は、一度お住いの建物のどこかに、カビや苔の発生に適している環境がないかチェックしてみて下さい。
建物の周りは木々が豊かで川があるとか、日当たりの悪い面や室外機の裏なども注意です。
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