ベランダ排水溝の詰まりは雨漏りの原因に、自分でできるメンテナンス方法とは
戸建て住宅やマンション、アパートに限らず、ベランダは開放的な空気を味わうことのできる非日常的な空間です。プランターを置いたり洗濯物を干すこともできるベランダですが、気を付けたいのが排水口の詰まりです。
この記事では、ベランダ排水溝の詰まりと雨漏りの関係、自分でできるベランダ排水口のメンテナンス方法を詳しく解説します。ベランダ排水口の詰まりに悩まされている方、排水口のメンテナンス方法について知りたい方はぜひ参考にしてください。
ベランダ排水口はなぜ詰まってしまうのか？
ベランダやバルコニーなど、雨水が浸入しやすい場所には、床面の隅に排水のための設備が設けられています。この排水のための設備は「排水口」や「ドレン」などと呼ばれ、浸入した雨水を床面に設けられた排水口から吸い込み、排水管を通して軒下や下水にスムーズに排出する役割があります。
排水口や排水管は、雨水を通すために設けられた通り道であるため、狭く、構造上どうしても詰まりやすくなってしまいます。排水口の表面には、「目皿」と呼ばれる隙間を設けた受け皿のようなものがあるのが一般的で、大きいゴミを排水管に流さないようにする働きがあります。目皿で取り除けるものは、風が運んできた木の葉や枯れ葉、小枝などで、それより小さなものは排水管へと流れてしまいます。排水管を詰まらせる可能性のあるものは、ベランダに干された洗濯物の繊維やホコリ、とくにシワを伸ばす際に行う振り払いでは、多くの繊維が床へ落ちます。
また、ベランダに植物や、ちょっとした家庭菜園のためのプランターを置いている場合には、雨や水やりによって流れ出した土や砂が、排水管を詰まらせる要因になります。土や砂、洗濯物の繊維やホコリは、少量であれば雨水と一緒に押し流されるため、排水管を詰まらせる心配はありませんが、長期間に渡り排水管内に少しずつ堆積した土や砂が乾燥して固まり、雨水の通り道を狭めることで、最終的に詰まりを引き起こすケースが多くあります。
ベランダ排水口の詰まりが雨漏りを起こす理由
ベランダ排水口の詰まりと雨漏りには、一見、因果関係がないように思われるかもしれません。ですが、実際にはさまざまな場所へ悪影響が出ます。ベランダに入った雨水が排水されず、床面に溜まり、ベランダへ出る窓枠やサッシの高さを超えてしまうと、雨水が室内へ流れこんだり、隙間から建物内部へ雨水が浸入することで、基材である木材を腐食させ、最終的には階下に雨漏りが発生します。
また、建物内部へ雨水が浸入すると、雨漏りの他にもカビの繁殖や電気設備の漏電、ショートを引き起こす可能性もあります。戸建て住宅ではなく、アパートやマンションの場合には、階下に住む人とのトラブルに発展するケースも多いため、ベランダ排水口の詰まりを放置することは多くのリスクがあります。
ベランダ排水口が詰まった際に自分でできるメンテナンス方法
ベランダ排水口が詰まった際には、専門業者に相談するのが確実ですが、まずは自分でできるメンテナンス方法を試してみるのも良いでしょう。メンテナンス方法には次の方法があります。
✅目皿の大きいゴミを取り除く
✅トングで詰まったゴミを取り除く
✅チューブブラシを使用する
✅ラバーカップを使用する
目皿の大きいゴミを取り除く
自分でできるメンテナンス方法で最も取り組みやすいのが、目皿を塞ぐ落ち葉や小枝の除去です。目皿の落ち葉や小枝を除去しても雨水が流れていかない場合は、排水口の奥にある排水管が何らかの理由で詰まっている可能性が高いため、次に解説する方法でのメンテナンスが効果的です。
トングで詰まったゴミを取り除く
排水管が詰まりを起こしている場合には、まず初めにトングで排水管に詰まった物を取り除きましょう。排水口の目皿やカバーを取り外したら、トングをゆっくり排水管内に挿入し異物があれば掴んで引き出します。この際、注意して欲しいのが、排水管内でトングがつかえた場合、無理に押し込んだりしないことです。トングを無理に押し込むと、排水管内で詰まっているものが押し固められてしまうため、詰まりを悪化させてしまう可能性があります。排水管内でトングがつかえた場合は、手前から順に詰まっているものを取り除くようにしましょう。
チューブブラシを使用する
チューブブラシの使用も、排水管内のゴミを取り除くのに効果的です。トングと同じ要領で排水管内に挿入したら、ブラシを回転させながら詰まっていた異物を引き出します。注意点は、トングを使用するのと同じように無理に押し込まないこと。チューブブラシは、狭く曲がった場所にも形を変えながら挿入できる特徴があるため、排水管の奥まで入りやすく、取り扱いに注意が必要です。何度か排水管内を往復させ、詰まっていたものが取り除けたら、排水口から勢いよく水を流し内部を洗い流して完了です。
ラバーカップを使用する
ラバーカップも、排水管の詰まりの解消に効果的な道具です。排水口の目皿を取り外し、排水管の入り口にラバーカップを密着させたら、上下に押す・引くを繰り返します。この動きにより排水管内の圧力を変化させ、詰まったゴミや異物を取り除きます。ラバーカップを排水口にしっかりと密着させないと上手く圧力がかからず、期待した効果が得られないため注意が必要です。
排水口の詰まりを解消する際の注意点
排水口の詰まりを解消する際の注意点は次の通りです。
✅硬いもので無理に突かない
✅パイプクリーナーでは詰まりは解消しづらい
硬いもので無理に突かない
前述しましたが、排水管内のゴミや異物を取り除く際に、硬いもので無理に突かないことが大切です。無理に突いてしまうと、詰まっているゴミや異物を押し固めてしまうだけでなく、排水管内や排水管そのものを傷つけ破損させてしまう恐れがあるためです。排水管内で何かに突き当たったら、トングやチューブブラシなどで手前のゴミや異物から少しずつ取り除きましょう。
パイプクリーナーでは詰まりは解消しづらい
市販のパイプクリーナーでは、ベランダ排水口の詰まりは解消しづらいです。パイプクリーナーは、油汚れや皮脂、髪の毛などで詰まった排水管を綺麗にするために、次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウムなどの成分で作られています。それに対しベランダ排水管を詰まらせているものは、洋服の繊維や土、砂などの固まりであるため、これらの成分が有効に働きません。したがって、パイプクリーナーでは詰まりの解消は期待できないため、物理的に詰まりを取り除く方法を選択するのが良いでしょう。
ベランダ排水口を詰まらせないようにするために
ベランダ排水口を詰まらせないようにするためには、次のような対策が有効です。
✅目皿やカバーを目の細かいものに交換する
✅プランターを土の出にくいものにする
目皿やカバーを目の細かいものに交換する
排水管に繋がる排水口の入り口には、雨水を流す隙間がある目皿やカバーが設置されているのが一般的です。目皿やカバーの隙間が大きいものほど、排水管内にゴミや土などが流れ込みやすくなるため、隙間の小さいものに交換することで排水管内に流れるゴミや土の量を少なくできます。デメリットとして、表面の目皿やカバーにせき止められるゴミや土が多くなるため、定期的な掃除を行うようにしましょう。
プランターを土の出にくいものにする
排水管内に土や砂が多く詰まっているようであれば、ベランダに置いたプランターを土の落ちにくい物に交換するのも効果的です。土を入れる前のプランターの底に砂利や小さい石を敷くと、排水効率が上がるとともに土が流れだしにくくなります。また、プランターの下に受け皿のようなトレイをセットして使うと、流れ出た水分や土がトレイに溜まるため、排水口へ流れ込むのを防ぐことができます。
まとめ
この記事では、ベランダ排水溝の詰まりと雨漏りの関係、自分でできるベランダ排水口のメンテナンス方法を詳しく解説しました。ベランダ排水口は、落ち葉や小枝、洗濯の繊維やプランターから流れ出た土や砂などで詰まってしまうことがあります。詰まりを放置するとサッシやベランダ壁面の隙間から建物内部に雨水が浸入し、雨漏りに繋がります。
自分でできるメンテナンス方法は、トングやチューブブラシ、ラバーカップなどを使用する方法がありますが、無理に排水管内を突かないことが大切です。ベランダ排水口の詰まりを予防する方法として、目皿やカバーを目の細かいものに交換する方法や、プランターを土が流れ出にくいものにするなどの工夫が有効です。
池本塗装は大阪・八尾市にある塗装専門店です。打ち合わせから施工まで、全ての工程を自社職人のみで行うため、お客様視点から見ても分かりやすく、細かな説明を行えるメリットがあります。下請け業者などを介さないため、余計な工賃が発生することもありません。外壁塗装やベランダの防水塗装にも対応可能ですので、お気軽に池本塗装までお問い合わせください。
この記事は私が監修しました
池本塗装代表：池本 竜也
塗装職人歴15年、1級塗装技能士・２級施工管理技士取得。一級技能検定にて優秀賞受賞、塗装技能大会にて大阪府知事賞、大阪代表の塗装職人として全国大会出場など。安心した塗装をご提供できるように日々技術を磨いています。
