八尾市の塗装職人、池本塗装が教える知っておきたい屋根修理の豆知識

知っておきたい塗装の豆知識

屋根塗装に必要な「縁切り」「タスペーサー」とは?役割と重要性について解説

屋根塗装の見積もりに記載された”縁切り費用”や”タスペーサー費用”は聞きなれない言葉なので、「必要な費用なのか?どういった作業なのか?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
実は屋根塗装の工程の中でも重要な役割があり、これらの作業を行わないと雨漏りに発展する危険性もあるのです。
この記事では、縁切りやタスペーターの役割や重要性と、この作業が不要な屋根材の特徴も解説します。
是非、ご自宅の屋根塗装を行う際の参考にしてください。

縁切りの主な役割

八尾市にて外壁塗装・屋根塗装・付帯部塗装

スレート屋根など屋根塗装を行う際には通常ローラーを使って塗装を行います。その際、屋根材同士の隙間にも塗料が覆い塗膜が生まれます。
「縁切り」とは屋根にできたその隙間を覆った塗膜を剥がす作業のことを指します。

以下、縁切りによって得られる効果、重要性について触れていきます。
・雨漏りを防ぐ
・内部結露を防ぐ
この章では、それぞれの役割について解説します。

雨漏りを防ぐ

縁切りは雨漏りを防ぐために重要な作業です。
通常、屋根は雨水を防ぐものだと思っていませんか?実はどの屋根にも雨がたくさん降ると、雨水は屋根の下にも入っていく構造になっています。

何故なら屋根内部に入った雨水を排出しないと、屋根の内部まで浸水し、腐食や雨漏りが発生してしまいます。
そのため予め屋根には雨水を排出する隙間が設けられており、その隙間から湿気や雨水を排出しています。

しかし、塗料を塗ると塗料の膜ができてこの隙間を覆い、雨水の排出がうまくできない状態になってしまうのです。
縁切りは塗膜を剥がし屋根の隙間を確保するためには欠かせない工程です。

内部結露を防ぐ

先ほどと同様に、屋根の内側と外側の温度差でできた結露の水も、屋根の隙間がないと逃げ場がありません。
室内の暖かい空気は上昇し、屋根裏にたまりやすく、屋根は外気に触れているので寒い時期には冷えます。
この温度差でできた結露の水分が屋根内部に蓄積すると、中の木材にカビの繁殖や腐食の恐れがあります。
屋根塗装後に塗膜ができると、水分が出ていく先がなくなるため、縁切りで隙間を作り、縁切りでできた隙間が内部結露の水分を放出し、屋根内部に水分が溜まるのを防ぎます。

タスペーサーの重要性4選

縁切り作業はカッターや皮すきを使った手作業が主流でした。
しかしカッターや皮すきの作業は時間がかかり、一度隙間を作っても再度塗膜ができてしまったり、建材を傷めてしまう恐れがありました。

そこでセイム社が開発した”タスペーサー”がカッターや皮すきの代わりに使われるようになりました。
タスペーサーですと、カッターや皮すきに比べてメリットが多く、以下の通り重要な4つの役割を果たします。
縁切り作業の効率を良くする
雨漏りの防止を確実にする
屋根の景観を保つ
工事期間を短縮する
それぞれについて詳しく解説します。

縁切り作業の効率を良くする

カッターや皮すきの縁切りは、重なった屋根と屋根の間に道具を差し込み、ひとつひとつ手作業で塗膜を剥がします。
塗料が乾いていないと、一度道具を差し込んで剥がしても、道具を抜くと再び塗料がくっつき屋根の隙間がふさがれる場合があります。
また塗料が乾いて密着している部分に道具を差し込むと、くっついていた塗料が剥がれてしまう場合もあるのです。
タスペーサーを使う縁切りは、タスペーサーを差し込んだら抜かずに差しっぱなしにするので、塗料が再びくっつく心配はありません。
また塗料が乾くのを待たずに作業するので、密着した塗料が剥がれる心配もありません。
従来のやり方では手作業で手間がかかる上にリスクもありましたが、タスペーサーを使うと作業を短縮しリスクも低いのがメリットです。

雨漏りの防止を確実にする

タスペーサーを挟みこむ縁切りは、再び隙間がふさがれる心配がありません。
タスペーサーを差したままの状態で確実に隙間をあけるので、常に雨水の排出ができ屋根内部に水分をため込みません。
そのため雨漏りや屋根の腐朽のリスクを下げられます。
カッターや皮すきの作業は、一度隙間を開けても塗料が十分に乾いていないと、また塗料がくっついてしまうケースもあります。
塗料がくっつくと屋根の隙間はなくなりますので、雨水の排出ができず、雨漏りにつながる可能性があります。
雨漏りの防止を確実にするのはタスペーサーの重要な役割です。

屋根を傷つけない

カッターや皮すきは手作業で屋根に道具をはさみ持ち上げるように作業を行うため、塗料が剥がれたり、屋根に傷がつく可能性があります。
また屋根塗装が完了してから、再び屋根に登って縁切り作業をするために、屋根に作業員の足跡がつく場合もあります。
タスペーサーは下塗り後に屋根の隙間に資材をはさみこむだけなので、屋根に傷をつけるリスクは低いです。
またタスペーサーを挟みこんだ状態のまま、上塗りを行うので、作業員の足跡も最小に抑えられ、綺麗な仕上がりにするのもタスペーサーの役割のひとつです。

工事期間を短縮する

カッターや皮すきの縁切りは、重なった屋根と屋根の間に道具を差し込み、ひとつひとつ手作業で塗膜を剥がします。
屋根塗装の後、塗料が乾くまで2日から3日ほど時間をおき、縁切り作業は作業員2人で丸一日かかります。
タスペーサーを使う縁切りは、塗料が乾くのを待つ必要がありません。
下塗りの翌日、屋根の間に資材を挟みこんでいくだけで、作業時間は2時間から3時間程度です。
タスペーサーを差し込む作業は塗料が乾くまでの数日を待つ必要がなく、作業自体も半日程で終わるため工事期間の短縮につながります。

タスペーサーを使用した縁切り作業

屋根塗装は高圧洗浄や補修をした後、下塗り・中塗り・上塗りと工程が進みます。
この章ではどのタイミングでどのようにタスペーサーを取り付けるのか、解説します。

手順1 下塗り

屋根塗装は基本的に「下塗り・中塗り・上塗り」の計3回行程にて行います。そのうち1回目を下塗りと呼びます。
下塗りの目的は屋根材と上塗り塗料との接着剤の役割を果たし、仕上がりを左右するほどの重要な工程です。
下塗りがないと、仕上がりに色ムラができてしまう恐れや、塗装の機能が正しく発揮されません。
目にする機会はほとんどない作業ですが、下塗りは屋根の仕上がりに影響を与える大切な作業です。

手順2 タスペーサーの取り付け

下塗りをした屋根と屋根の間に、タスペーサーをはさんでいきます。
1枚の屋根材は横幅90cm程で、屋根1枚につきタスペーサーを2つ両端に差し込みます。
これをダブル工法といい、タスペーサーを開発したセイム社が推奨している工法です。
初めての屋根塗装ではタスペーサーを手で差し込み、2回目以降の塗装では、前回の塗料がしっかりくっついているケースがあるので皮すきを使って挿入する場合もあります。
また屋根の状態によって隙間がある場合にはタスペーサーを差し込まない場合もあります。
使用するタスペーサーの数は1棟につき数百個ほどです。

手順3 中塗り・上塗り

タスペーサーを取り付けた後、中塗り・上塗りとして塗料を2度塗りします。
選んだ色の塗料を2度塗りすることで、耐久性をあげ、色に艶もでるので綺麗に仕上がります。
中塗り後にしっかり塗料が乾くのを待ち、さらに上塗りを行いますので作業は数日かかります。
塗装終了後もタスペーサーは外さず、取り付けたまま工事は終了です。

縁切りやタスペーサーが不要なケース

チェック

全ての屋根塗装で縁切り作業やタスペーサーが必須となるのではありません。
見積もりに縁切りやタスペーサーがないのは悪徳業者というわけではないので、注意しましょう。
ここではタスペーサーが不要なケースを解説します。

タスペーサーを挟まなくても隙間がある屋根

タスペーサーの役割はスレート屋根に隙間を作ることです。
屋根のデザインで隙間がある場合もあります。また屋根材によってはタスペーサーの使用ができないケースもあります。
ご自宅の屋根にタスペーサーが必要かどうかは専門業者に見てもらうのが良いでしょう。

過去の工事でタスペーサーを使用している屋根

以前の屋根塗装でタスペーサーを使用している場合は、タスペーサーを挟みこんだままの状態になっているため、新たに挟む必要はありません。
一度タスペーサーを挟めば、屋根と屋根が再びくっつくことはなく、塗替えの際にも同じものをそのまま使用できます。
ご自身で認識していなくとも業者がタスペーサー工法をしている可能性もありますので、見積もりの際に屋根を業者にみてもらうと良いでしょう。

まとめ

平板ストレート屋根を塗装する場合、雨漏り防止や内部結露防止には縁切り作業が必要です。
特にタスペーサーを使用した縁切り作業は、作業面でも効果面でもメリットが多いです。
従来の縁切り作業はカッターや皮すきを使用し、手間やリスクもありましたが、タスペーサーを使うと効率よく綺麗に仕上がります。
ただし縁切りやタスペーサーが不要な屋根もありますので、専門の業者に屋根を見てもらうのが良いでしょう。
池本塗装では外壁塗装・屋根塗装を専門に実績を積み重ねています。
ご自宅の屋根塗装にお悩みの際は池本塗装にお気軽にご相談ください。

<実際の施工事例>

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この記事は私が監修しました

池本塗装代表:池本 竜也

池本塗装代表:池本 竜也

塗装職人歴15年、1級塗装技能士・2級施工管理技士取得。一級技能検定にて優秀賞受賞、塗装技能大会にて大阪府知事賞、大阪代表の塗装職人として全国大会出場など。安心した塗装をご提供できるように日々技術を磨いています。

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