比べて学ぶ「屋根塗装と屋根修理」どちらを選択すべき?
屋根の塗装を依頼すると、塗装ではなく修理を提案されることもあります。
このような場合、「屋根塗装と屋根修理」どちらを選択すべきなのでしょうか?
屋根塗装と屋根修理のそれぞれの工事内容とメリットとデメリットを解説します。
屋根塗装が必要な屋根
屋根は、粘土瓦(釉薬瓦、いぶし瓦)以外の建材で作られている屋根を長持ちさせるためには、塗装によるメンテナンスが必要です。
代表的な屋根材は次のようなものです。
✅スレート屋根
✅金属屋根
スレート屋根は、セメントに繊維素材を混ぜて板状にしたものです。
セメントには防水性能がないことから、塗装により防水性能を維持しています。
そのため、塗膜が劣化すると、水分を吸収しやすくなりますし、その結果、カビやコケが発生しやすくなりますし、ひび割れなどが生じやすくなります。
金属屋根は、ガルバリウム鋼板などサビに強い素材で作られています。
美観を長持ちさせるためには塗装が必要です。
海沿いなど環境によっては、ガルバリウム鋼板でもサビてしまうこともあるので、塗膜が劣化したら再塗装が必要です。
屋根修理の方法とは?
屋根修理と言ってもどの程度の修理が必要なのかにより工事内容は異なります。
部分的な補修で良い場合は、「屋根修理+屋根塗装」で提案されることが多いと思います。
屋根の修理を行った後で、修理の跡を目立たなくするために、塗装を行うというイメージです。
全面的な屋根修理を行う場合は、「屋根のカバー工法or葺き替え工事」が検討されます。
屋根のカバー工法は、現在ある屋根材の上に、新しい屋根材を被せる工法です。
現在の屋根材が、塗装するには古すぎるものの撤去すべきほどではない場合に採用が検討されます。
新しい屋根材としては、軽量な金属屋根を利用するのが一般的です。
葺き替え工事は、現在ある屋根材を撤去して、下地の野地板も交換するなど、屋根を全面的に交換する工事です。
カバー工法でも対応できないほど、屋根の劣化がひどい場合に利用が検討されます。
古い屋根材を撤去するため、その処分費用が掛かります。
新しい屋根材は金属屋根である必要はなく、自由に選ぶことも可能です。
参考サイト▷屋根の葺き替え工事とは?特徴やメリットなどを徹底解説
参考サイト▷屋根のカバー工法とは?特徴やメリットなどを徹底解説
屋根塗装を選択すべきケース
屋根塗装と屋根修理のどちらを選択すべきかは、屋根の劣化症状の程度により異なります。
屋根塗装で対応できる劣化症状は次のとおりです。
✅色あせ
✅塗膜の剥がれ
✅コケやカビ
✅サビ
新築から10年程度を目処に最初の塗装を検討する場合や、一度塗装してから10年程度経過している場合に上記のような劣化症状に留まる場合は、塗装工事で対応できます。
色あせ
新築時や再塗装時から10年以上経過すると、屋根材は色あせてきます。
色あせていることは、塗膜の劣化が始まった証拠ですから、早めに塗装することが望ましいです。
色あせているだけでしたら、屋根材自体は劣化していない場合がほとんどなので、すぐに撤去する必要はありません。
塗装することで新築時の美観を取り戻すことが可能です。
塗膜の剥がれ
塗膜が剥がれている場合は、見た目が悪いだけでなく、屋根材自体が傷んでしまうため、早めの工事が必要です。
スレート屋根の場合は、塗膜が剥がれると、セメントの部分がむき出しになり、雨水を吸収するようになります。
雨水の吸収と晴天時の乾燥を繰り返すことにより、ひび割れや反りが発生するようになります。広範囲にひび割れや反りが生じてしまうと塗装では対処できなくなります。
金属屋根の場合は、塗膜が剥がれただけでは直ちに影響がありませんが、その部分からサビが発生する可能性があります。
やはり早めに塗装することで、サビの広がりを防ぐべきです。
コケやカビ
スレート屋根の場合は、塗膜が劣化して、屋根材自体が水分を含みやすい状態になると、コケやカビが発生してしまいます。
コケやカビが発生していると見た目が悪いだけでなく、素材内部に根を張り、素材自体を劣化させてしまいます。
早めにコケやカビを除去して、再び付着しないように塗装すべきです。
サビ
金属屋根の場合は、塗膜が剥がれると、鉄部が露出して錆びることがあります。サビは放置すると深くなり、しまいには穴が空いてしまいます。
これを防ぐには、早めにサビを落として、それ以上サビが進行しないように再塗装することが大切です。
屋根修理(カバー工法)を選択すべきケース
カバー工法を選択すべき劣化症状は次のとおりです。
✅屋根材のヒビや欠け
✅コケやカビの大量発生
✅雨漏り
新築時から20年以上経過していて、上記のような劣化症状が生じている場合は、塗装よりも屋根修理を検討すべきです。
ただ、屋根材がぼろぼろになっていると言うほどの酷さでなければ、既存の屋根に金属屋根を被せる形での補修も可能です。
屋根材のヒビや欠け
屋根材にヒビや欠けがある場合は塗装前に補修します。
しかし、ヒビや欠けが多数ある場合は、塗装ではなく屋根修理が必要です。
ヒビや欠けがあっても下地の板がしっかりしていれば、既存の屋根材に新しい屋根材を被せる形のカバー工法も採用できます。
コケやカビの大量発生
コケやカビが大量に発生している場合は、塗装前に洗浄しますが、こびりついて落とせないこともあります。
このような場合は、その上から塗装しても、見た目が良くないこともあるので、屋根修理が検討されます。
雨漏りが生じていなければ、下地の板がしっかりしている可能性が高いので、カバー工法の採用も検討されます。
雨漏り
屋根が原因で雨漏りが生じている場合は塗装だけでは雨漏りを止めることはできません。
ただ、屋根のどの部分が原因で雨漏りにつながっているのかは、特定が難しいこともあります。
このような場合は、新しい屋根材でカバーしてしまえば、雨漏りを止めることも可能です。
もっとも、下地の野地材が雨漏りによって腐っている場合は交換する必要があるので、カバー工法ではなく、葺き替え工事を検討する必要があります。
屋根の葺き替え工事を選択すべきケース
屋根の葺き替え工事を検討すべきなのは、カバー工法を検討するのが適切でない場合です。
代表的なケースを見ていきましょう。
屋根材の劣化が著しい場合
カバー工法は、元の屋根材の上に屋根を被せるので、元の屋根材がある程度しっかりした状態でなければなりません。
元の屋根材がぼろぼろで剥離していたり、スレートを止める釘が腐っているような場合や雨漏りがひどく、屋根の下地が腐っているような場合は、元の屋根材や下地の撤去が必要なので、葺き替え工事をするしかありません。
雨漏りがひどい場合
何度も屋根から雨漏りしている場合は屋根の下地が腐っている可能性が高いです。腐った下地にカバー工法で屋根を被せても最悪の場合、脱落してしまう危険があります。
屋根の下地の修理も必要なので、葺き替え工事になります。
セメント瓦などの重い屋根材を使っている場合
カバー工法では、金属屋根などの軽量な屋根材を利用します。
ただ、既存の屋根材が重い場合は、建物の耐震性に大きな影響があるので、撤去してしまった方が安心です。
セメント瓦などの重い屋根材から金属屋根に葺き替えすることで、見た目がよくなったり、雨漏りの心配がなくなるだけでなく、耐震性の面でも有利になります。
屋根塗装のメリットとデメリット
屋根修理と比較した場合の屋根塗装のメリットとデメリットを確認しましょう。
屋根塗装のメリット
屋根塗装のメリットは、次の2つです。
■コストを抑えられる。
■工事が手軽である。
屋根修理だと、カバー工法と葺き替え工事のどちらでも、新しい屋根材を用意しなければなりません。葺き替え工事では、古い屋根材の処分費用も掛かります。
屋根塗装ならば、塗料の費用と工事費用だけで施工できるので、コストを抑えることができます。
屋根修理だと、カバー工法と葺き替え工事のどちらでも工事の手間が掛かりますし、騒音も発生します。
それに対して、屋根塗装ならば、騒音は出ませんし、手軽に工事することができます。
屋根塗装のデメリット
屋根塗装のデメリットは次の3つです。
■屋根の劣化は止められない。
■再メンテナンスが必要。
■トータルではコストが高くなる可能性がある。
屋根塗装だけでは、劣化した屋根を回復したり、劣化を止めることはできません。劣化を遅らせることができるだけで、いずれは、屋根修理が必要です。
また、屋根塗装だけでは、塗膜が劣化したタイミングで、再度、メンテナンスを検討しなければならなくなります。
そのため、トータルでは屋根に掛ける費用が高くなってしまう可能性があります。
屋根修理のメリットとデメリット
屋根塗装と比較した場合の屋根修理のメリットとデメリットを確認しましょう。
屋根修理のメリット
屋根修理のメリットは、次の3つです。
■雨漏りが確実に止まる。
■再メンテナンスの時期を先送りできる。
■屋根を軽量化できる。
屋根修理により、雨漏りを確実に止めることができます。雨漏り修理が主な目的であれば、屋根塗装よりも屋根修理を検討すべきです。
また、屋根塗装の場合は塗膜が劣化する10年前後を目途に再度のメンテナンスを検討しなければなりませんが、屋根修理ならば、再メンテナンスの時期を先送りできます。
さらに、重量のある屋根材から金属屋根に葺き替えた場合は、屋根を軽量化できるので、建物の耐震面でも安心感が増します。
屋根修理のデメリット
屋根修理のデメリットは
■工事費用が高くなってしまうことです。
また、屋根材を新しくしたとしても、その屋根材の塗装メンテナンスが必要になることに変わりはありません。
まとめ
この記事では、屋根塗装と屋根修理のどちらを選択すべきかについて解説しました。
屋根は、住宅を風雨から守る大切な役割を果たしています。屋根が劣化し雨漏りが生じるようになると建物全体の傷みが進んでしまいます。
新築時や前回の塗装時から10年を目途に屋根の塗装工事を検討してください。ただ、屋根の劣化状況によっては、屋根修理が必要になることもあります。
屋根塗装と屋根修理のどちらを行うべきか判断に迷った場合は、専門業者にご相談ください。
池本塗装は、大坂八尾市で外壁塗装・屋根塗装・防水工事などを行う職人直営の塗装専門店です。屋根を健全な状態に保つためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。新築以来、まだ一度もメンテナンスを行っていない場合には、屋根の劣化が進んでいるかもしれません。点検やメンテナンスのご依頼は、ぜひ池本塗装にご用命ください。お待ちしております。