外壁塗装の「艶あり」と「艶なし」塗料はどちらが良い?違いについて解説
今回の記事は、外壁塗装で使用される塗料について、艶がある・ないのどちらが良いのかを説明します。
またその違いについても理解して頂ける内容となっています。
外壁塗装における「艶あり」塗料と「艶なし」塗料、どちらが良いのかは一概には言えません。選ぶべき塗料は、建物のタイプ、使用される場所、デザインの要件など、多岐にわたる要因に依存するからです。
この記事では、艶あり塗料と艶なし塗料の特徴、メリット、使用場面を詳細に解説し、自宅や事業所の外壁塗装で最適な選択ができる手助けとなる理解が得られるでしょう。
外壁塗装とは? – 基本的な知識
外壁塗装は、家やビルの美観を高めるだけでなく、建物自体を保護する重要な役割を果たします。以下では、外壁塗装の基本的な知識と、艶あり塗料と艶なし塗料の概要について深く掘り下げます。
塗装の重要性
外壁塗装は単に外壁の色を変えるだけのものではなく、家の「防具」としての役割も果たします。長時間、雨風や紫外線に晒される外壁は、劣化やカビ、亀裂といった劣化が生じ易いことから、定期的な塗り替えを行い、これらのダメージを予防することで家全体の寿命を延ばす役割があります。
防護機能
塗装の一層一層には、それぞれの機能と特性があり、下塗り・中塗り・上塗りのいずれの層の機能が失われてもいけません。1つの塗膜層の欠陥が塗膜全体を劣化させる事例は多数存在します。
特に上塗りは、日々の温度変動から建物の劣化を防ぐためのバリアとしても機能し、定期的な塗り替えは、家の長寿命化と安全の確保に欠かせない作業です。
艶あり塗料と艶なし塗料の基本
定義
艶あり塗料は、光沢のある仕上がりが特徴で、外観に高級感を与えることが多いです。対して艶なし塗料は、マットな外観を持ち、自然な風合いを重視する場合に使われます。
種類
外壁塗装には「艶あり塗料」と「艶なし塗料」の2種類が主流です。艶あり塗料は光沢感があり、汚れが付きにくく、雨などで簡単に洗い流せるのが特長。一方、艶なし塗料はマットな見た目で、自然な質感が求められる場合に適しています。しかし、艶なし塗料は汚れが目立ちやすいため、定期的にチェックと掃除をすることが大切です。いずれにしても、塗装の目的やお家の好みのスタイルに合わせて選ぶことが可能です。
艶あり塗料の特徴
色彩
艶あり塗料は光を反射し、家の外観を鮮やかに映し出します。その色彩は、艶なし塗料に比べて深みがあり、日光や雨にも強いです。一般的な塗料よりも長持ちし、美しさが持続します。家の印象を豊かにし、爽やかな印象を与えてくれます。
耐久性
艶あり塗料は、光を反射する能力が高く、外壁に美しい光沢感を与えます。これにより、建物が高級感を持ち、新築時の輝きを長く保てます。さらに、汚れが付きにくく、雨水での自然洗浄効果も期待できるため、メンテナンスに手間がかからないのが特徴。
しかし、ツヤが強いため、外壁の凹凸が目立ちやすくなることも。選択する際は、建物の特性や環境を考慮しましょう。
艶あり塗料の使用場面
艶あり塗料は、見た目の美しさと強度が魅力です。光沢があるため、汚れが付きにくく、雨や風による直接のダメージから建物を守る効果も高まります。特に、都市部や交通量の多い場所では、排気ガスやホコリによる汚れが気になるところ。艶あり塗料は、これらの汚れを簡単に洗い流すことができるので、大型のマンションやビルの塗装に選ばれることが多いと思います。また、高級感を出したい建物や、デザイン重視の場所にも最適です。
ただし、全ての外壁に艶あり塗料が適しているわけではありません。古い建物や、素材の風合いを生かしたい場合は、艶無しやセミ艶の方が適していることもあります。
艶なし塗料の特徴
艶なし塗料は、そのマットな仕上がりが特徴で、近年は建築物以外にも、車や自転車等の塗装も艶なし塗料の使用が増えています。
艶なし塗料を建築物に使用する際は、自然な外観を求めるプロジェクトによく使用されます。以下では、艶なし塗料の特性、利点、そして最適な使用場面について解説します。
色彩
艶なし塗料は、表面がつやのない仕上がりになる塗料です。この艶のなさが、ダークトーンの色をより深く、落ち着いた雰囲気に見せる特性があります。光の反射が少ないため、塗装面の色の純粋さや深みを堪能することができます。
特に日本の伝統的な家や、ナチュラルなトータルデザインの家屋には、艶なし塗料の色が非常に相性がいいとされています。選ぶ色によっては、歴史的な趣やモダンな雰囲気も演出できるでしょう。
汚れの目立ち
艶なし塗料は、その名の通り表面に艶がないため、汚れやキズによっては艶あり塗料よりも目立ちやすいのが特徴です。
自然の飛来物などは、汚れもデザインと同化してくれる可能性がありますが、都会の排気ガスなどの汚れは落としにくく、通常の艶あり塗料に比べ耐久力も劣る艶なし塗料では、塗り替えなどのメンテナンスコストも考えておかねばなりません。
艶なし塗料の使用場面
艶なし塗料は、その独特のマットな見た目から、最近では多くのシチュエーションで選ばれる塗料です。
特に、自然な質感を重視する家や古民家のような外観には、艶なしの塗料が相性が良く店舗経営の一軒家などにも人気があります。また、日差しや照明の映り込みを気にする商業施設や公共施設では、艶なしの塗料が映り込みを抑える役割を果たすという一面も。
さらに、艶なし塗料は、壁の小さな傷や凹凸を目立たせにくいという特性も持っていることから、年数が経った外壁や古い塗膜の上からの塗り替えにも適しています。これらのポイントを考慮して、艶なし塗料を選択すると、理想の外壁仕上げが実現できます。
艶あり塗料と艶なし塗料の比較
外壁塗装を選ぶ際には、多くの要素が影響しますが基本的には顧客が自由に選択できます。艶あり塗料と艶なし塗料は、それぞれ独特の特性を持っているため、塗装業者に予め相談し、そのメリット・デメリットを理解したうえで選ぶことが重要です。以下、両方の塗料の主要な相違点と、選択を考慮する際のポイントについて詳しく見ていきましょう。
光沢
・艶あり塗料
艶あり塗料は、鏡のような反射を持つため目立ち、美しい光沢が出ます。太陽光を反射し、明るい色彩を出す効果があります。大きな建築物で選定されることが多く、美観向上の中では一般的な選択です。
・艶なし塗料
対照的に艶なし塗料は、マットな仕上がりで、自然で落ち着いた外観を提供します。
また高級感を演出することも可能で、お店やこだわりのお家にはかかせない塗料といえるでしょう。
耐久性とメンテナンス
・艶あり塗料
外壁の美しさを長持ちさせたいなら、艶あり塗料の適切なメンテナンスが必要です。プロ目線で言うと、艶あり塗料は美しい仕上がりをもたらしますが、汚れやすい面も。まず、汚れが目立つ前に、年に1〜2回は優しく水洗いを行いましょう。高圧洗浄機は傷の原因になりうるので避け、柔らかいスポンジや布を使用します。
次に、塗装面に小さなキズやひび割れが見られたら、早めの修復が大切。放置すると塗料の劣化が進み、結果的に再塗装のコストが上がる可能性があるので、定期的なチェックと適切なケアで、外壁の艶と美しさを長く保ちましょう。
・艶なし塗料
外壁の艶なし塗料は、マットな仕上がりが特徴です。しかし、艶がないからといってメンテナンスを怠るのはNG。
雨や風によるダメージ、汚れが付着しやすくなるため、定期的なクリーニングが必要です。汚れが付着したまま長期間放置すると、塗料が劣化しやすくなり、外壁の耐久性に影響が出ることがあります。年に1〜2回、ソフトなブラシや水で優しく洗うことがおすすめです。
一般的に、艶あり塗料に比べて、美観を保つことに気を配る必要があるのが艶なし塗料で、お困りの際は塗装業者へ相談するのが良いでしょう。
用途と適応性
・艶あり塗料
艶あり塗料はその名の通り、仕上がりに艶が出る塗料です。多くの家の外壁や木材部分で使用されています。その魅力は、艶のある表面が汚れにくく、雨や風の影響を受けにくい点です。さらに、艶のある表面は紫外線による劣化を遅らせる効果も期待できます。
一方で、溶剤や硬化剤を含むため、適切な下地処理と専門的な施工技術が求められます。初めて取り組む方はプロの外壁塗装業者に相談することをおすすめします。適切な施工により、艶のある美しい仕上がりと長持ちする塗装を実現できます。
・艶なし塗料
艶なし塗料は、古い建物や歴史的建築物の修復、または自然素材の風合いを生かしたい現代住宅に適しています。また、マットな質感は、小さな凹凸や不均一な表面を上手く隠してくれるため、壁の小さな欠陥や古さを目立たせないようにするのに有効です。
また、独特の質感が、建物に落ち着きと高級感をもたらすため、シンプルでありながら存在感のある外壁仕上げを目指す場合にも良い選択となります。
最終的な選択のポイント
◯建築物のテーマ性と合致
◯長期的なメンテナンスと耐久性を考慮
◯予算とのバランス
今回の記事では、艶あり塗料と艶なし塗料の選択は建物の具体的な要件、外観の完成イメージ、メンテナンスの頻度、長期的なコストなど、多岐にわたる要素に依存するということが理解して貰えたと思います。
それを踏まえた上で、「艶あり」「艶なし」塗料をうまく使い、理想の外壁塗装を完成させる助けになれば、幸いです。
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