八尾市の塗装職人、池本塗装が教える知っておきたい屋根修理の豆知識

知っておきたい塗装の豆知識

工場や倉庫で使用されている折板屋根には塗装が必要?

折板(せっぱん)屋根は、工場や倉庫などの比較的大規模の建物に多く使用されています。
折板屋根は軽量でコストが安いにもかかわらず耐久性が高い優れた材料ですが、金属材であるため定期的な塗装メンテナンスが欠かせません。
本記事では折板屋根の特徴と長持ちさせるためのメンテナンス方法について詳しく解説します。
折板屋根の工場や倉庫を所有したり管理されている方に有用な情報ですので、ぜひ最後までお読みください。

倉庫に使用される折板屋根とは?

大阪府八尾市にて屋根塗装(折板屋根)

折板屋根とは、金属を大きな波型に成形したものです。
まずはその施工方法と種類について解説します。

折板屋根の施工方法

折板屋根はロール状の金属鋼板を成形して作ります。トラックで輸送可能な長さのものは工場で加工して現地に運びますが、数十mの長さが必要な場合は材料と加工機を持ち込んで現地で成形しながら施工します。
そのため、継ぎ目のない雨漏りのしにくい屋根を構成できるのです。

成形した折板屋根は、建物の梁にタイトフレームと呼ばれる金属を取り付けてボルトで直接固定します。
そのため屋根下地の合板や下葺き材が不要で、屋根勾配を緩くして構造材を減らすコストダウン効果もあります。

折板屋根の種類

✅重ね折板

隣合う屋根材の山を重ねながら並べ、重なった部分をボルトで締め付けて施工していくのが重ね折板です。
旧来からある最も一般的な施工方法で、屋根上にボルトが突出していることが特徴です。最もローコストな工法と言えるでしょう。

✅はぜ締め折板

重ね折板の場合はボルトが露出しますので、緩んだナットが雨漏りの原因になったり、ボルトが屋根材よりも先行して錆びてしまうなどの問題があります。
それを改善するために開発された工法がはぜ締め折板で、重ね部分のボルトを隠すように金属を包み込むように被せて折り曲げる工法です。
雨漏りや腐食の原因となるボルトが屋根材の内側に隠れるため、折板屋根の弱点を補強するだけでなく見た目も非常にスッキリします。現在最も一般的に使用されている工法と言えます。

✅嵌合折板

ボルトを隠すように施工するのははぜ締め折板と同様ですが、嵌合(かんごう)折板の場合は、金属製のキャップを重なり部分にはめ込みます。

✅ダブル折板

折板屋根を二重に施工し、間にグラスウールなどの断熱材を挟み込んだものです。高い断熱効果が期待できるため、冷蔵倉庫や低温の食品加工工場などに使用されます。

折板屋根のメリットとデメリット

大阪府八尾市にて屋根塗装(折板屋根)

折板屋根には次のようなメリットとデメリットがあります。

【折板屋根のメリット】
軽量の割に強度が高い
耐久性が高い
大規模な建築物でも施工が早い

【折板屋根のデメリット】
断熱・遮熱性能が劣る
防音・遮音性能が劣る
雨漏りすると被害が大きい

軽量の割に強度が高い

折板屋根は薄い鋼板を折り曲げてコシを出すことで、軽量の割に高い強度を実現します。
軽い屋根は建物全体の軽量化になり、地震で横揺れが発生したときにも構造材に負担が掛かりません。
そのため建物全体の軽量化にもつながり、工場や倉庫などの規模の大きい建物の場合は建築コストの削減につながります。

耐久性が高い

折板屋根には厚さ0.6〜1.2mmの金属鋼板を使用します。住宅などで使用される厚さ0.35〜0.45mmの金属屋根と比較して厚みがあり、その分耐久性も高くなります。
塗装メンテナンス無しでも20〜30年は使用可能とされています。

大規模な建築物でも施工が早い

折板屋根は1枚1枚の屋根材が大きいため、大きな屋根面積を効率よく施工できます。
施工スピードが早いのも、倉庫や工場などの大規模な建物に好んで使用されている理由のひとつです。

断熱・遮熱性能が劣る

先述の通り折板屋根は金属1枚の屋根です。そのため、屋根の日射をダイレクトに内部に伝えてしまいます。
折板屋根は暑い!」という声が良く聞かれるのもこれが理由です。
屋根から伝わる熱は非常に高温ですので、天井に断熱材を入れて断熱するよりも、ダブル折板や遮熱塗料など屋根面での遮熱・断熱対策が効果的です。

防音・遮音性能が劣る

折板屋根には防音・遮音性能がほとんどありません。雨音が内部に響きやすく、逆に内部の騒音も外部に漏れやすい特徴があることにご注意ください。

雨漏りすると被害が大きい

折板屋根は屋根の下地や下葺き材が無いので、何らかの原因で雨漏りが発生するとダイレクトに内部に漏水してしまいます。
原因を特定して対策を取るまでに時間が掛かると、被害も大きくなるため注意が必要です。
そのためにも定期的な点検とメンテナンスが必要な屋根と言えるでしょう。

工場や倉庫の折板屋根を長持ちさせるためのメンテナンス方法

折板屋根は耐久性に優れていますが、経年により様々な劣化症状が現れます。
放置すれば雨漏りなどの深刻な問題に繋がるため、定期的なメンテナンスが不可欠です。
劣化症状を見つけたら、早めに専門業者に相談して適切な処置を検討することをおすすめします。

工場や倉庫の折板屋根の劣化症状

✅ボルトの錆び

重ね工法でボルトが露出している場合は、長年のうちに雨水の影響でボルトが錆びてしまいます。
放置するとボルト部分からの雨漏りを招くだけでなく、周辺の折板屋根に腐食が広がって劣化を早めてしまう可能性があります。
錆が確認出来たら、塗装などの方法で早期に手当をするべきでしょうk。

✅屋根材の色褪せ

屋根面の塗装の色褪せは、塗装が紫外線により劣化していることを示します。表面劣化の初期症状ですので、点検とメンテナンスが必要な時期が近づいているサインと捉えましょう。

✅屋根材のチョーキング

屋根材表面の塗装の劣化が進行して粉状になる「チョーキング」の状態は、メンテナンス時期のサインです。
放置すると耐候性や防水性が大幅に低下し、屋根材の腐食や穴開きなどの原因となります。

▷外壁の「チョーキング現象」とは?原因と対処法を解説

✅屋根材の錆び

折板屋根材が部分的に茶色い状態になると、確実に腐食が進行しています。金属は表面塗装による保護が無いと、1年に0.2mm程度腐食が進行すると言われています。肉厚が薄くなった金属は、強風時の飛散物や鳥が運ぶ小石の落下、雹(ひょう)などによる衝撃で穴が開いてしまうことがあります。
雨漏りした後では修繕費用も高額になりますので、可能な限り早期に専門家による点検を受けましょう。

工場や倉庫の折板屋根のメンテナンス方法

✅塗装

ボルトの錆びや塗装の色褪せなどの軽度な劣化症状であれば、塗装の上塗りによるメンテナンスが可能です。
塗装の際には下地に錆止め塗料を塗り、将来的な劣化の進行を抑制することが大切です。

▷サビ止め塗料とは?必要性から池本塗装のおススメ塗料をご紹介

✅カバーリング

カバーリングは既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せる工法です。腐食が進行しており、塗装によるメンテナンスが難しい場合に採用されます。既存屋根と新しい屋根の間に断熱材を挟み込む「断熱カバーリング」であれば、断熱性能も同時に向上させることができます。
費用が高額になりますので、やはり劣化が進行する前に塗装によるメンテナンスをする方がお得です。

✅葺き替え

重度の劣化症状の場合は、既存の屋根材を撤去し、新しい屋根材に葺き替える必要があります。
最も費用がかかりますが、根本的な解決策となります。
ただし、雨が降らない日を選ばなければならず内部の養生も大変になりますので、施工時にはお客様にとっても大きな負担が掛かってしまいます。

工場や倉庫の折板屋根塗装を検討する際の注意点

折板屋根の塗装メンテナンスを検討する際には以下の点にもご注意ください。

建物面積よりも塗装面積が多くなる

折板屋根はその形状の性質上、建物の屋根面積の1.4〜1.7倍の塗装面積になります。
単純に建物の屋根面積×塗装㎡単価にはなりませんので、概算予算を立てる際にはご注意ください。
正確を期するには、専門工事業に見積を依頼されることをおすすめします。

遮熱塗装がおすすめ

先述の通り、折板屋根の弱点として断熱・遮熱性能が弱いという点があります。
対策として折板屋根に遮熱塗装を施工すると、室内に伝わる熱をある程度カット出来るだけでなく、屋根材が高温になることを防ぎ表面塗装や屋根材そのものの劣化も防げます。
塗装メンテナンスの際には、ぜひ遮熱塗装をご検討ください。

遮熱塗装についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので併せてお読みください。

▷屋根塗装における遮熱塗装のメリットとは?おすすめの遮熱塗料もご紹介します

まとめ

今回は折板屋根の特徴と塗装メンテナンスについて解説しました。
大阪府八尾市の池本塗装では、倉庫や工場の折板屋根の塗装メンテナンスにも豊富な実績があります。

大規模な現場でもきめ細やかでスピーディな対応をお約束します。丁寧な施工でお客様の大切な資産を長持ちさせますので、安心してご依頼いただけます。
もちろん点検および見積は無料ですので、塗装工事専門店の池本塗装にぜひお気軽にご相談ください。

この記事は私が監修しました

池本塗装代表:池本 竜也

池本塗装代表:池本 竜也

塗装職人歴15年、1級塗装技能士・2級施工管理技士取得。一級技能検定にて優秀賞受賞、塗装技能大会にて大阪府知事賞、大阪代表の塗装職人として全国大会出場など。安心した塗装をご提供できるように日々技術を磨いています。

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