屋根塗装における遮熱塗装のメリットとは?おすすめの遮熱塗料もご紹介します
年々厳しさを増している真夏の猛暑ですが、屋内にいても室温が上昇して熱中症になるケースが増えています。
冷房空調の運転時間と負荷が増大するのにともない、電気代も増えてしまうことに悩まれている方も多いでしょう。
その対策として、屋根に遮熱塗料を施工すると室内の気温を大幅に下げることが可能です。
今回の記事では、遮熱塗装のメリットと遮熱塗料の選び方について詳しく解説します。
建物の屋根を塗装する際には、耐久性を高めながら遮熱機能を付加する遮熱塗装をぜひご検討ください。
屋根の遮熱塗装の効果は?
真夏に室内が高温になる原因として、直射日光が室内に入り込む「日射熱」よりも「輻射熱(ふくしゃねつ)」が発生することが大きな要因を占めています。
輻射熱を大幅に軽減する遮熱塗装の効果について解説します。
増加している室内での熱中症
消防庁の調査によると、熱中症の約4割が住宅内で発生しています。
令和5年5月から9月の熱中症による救急搬送人数は約9万1千人で、過去2番目に多い搬送人数となりました。
下のグラフを見ていただくと、平成20年代と比較して平成30年以降は熱中症による救急搬送人数が増加傾向にあることが分かります。
また、最高気温が35℃以上の「猛暑日」の日数は全国的に増加しており、特に最近30年間(1992~2021年)の平均年間日数は約2.5日で、統計期間の最初の30年間と比べて約3.3倍に増加しています。
参考サイト▷日最高気温35℃以上(猛暑日)の年間日数の経年変化(1910~2021年)
このことからも、健康で快適な生活を送るためには、住宅内で熱中症にならないように対策をすることが必須といえるでしょう。
室内が暑くなる原因
真夏の日中に室温が上がる原因として、窓から直接入り込む日射熱は大きな要因になりますが、これはカーテンやブラインド、断熱窓の採用である程度防げます。一番の原因となるのが輻射熱の影響です。
輻射熱とは、温められた物体から放出される遠赤外線のことです。
真夏の日射で屋根材や外壁材が高温になると、天井や壁の内装材を伝わって室内にジワジワ熱を放出し続けます。
日が沈んだ夜になっても室内が暑くなるのはこの輻射熱の影響によります。
天井や壁には断熱材がありますが、断熱材は熱の伝わりを遅くする効果があるものです。断熱材に蓄えられた熱は輻射熱を発生させるため、断熱の強化は根本的な暑さ対策にはつながりません。
遮熱塗料の効果
真夏の暑さ対策に大きな効果を発揮するのが、屋根への遮熱塗装です。
遮熱塗料を屋根に施工すると、日射を反射して屋根が熱を持ちにくくなります。
真夏の直射日光が当たる屋根の表面温度は60〜80℃にもなりますが、遮熱塗料を施工すると最大で20℃程度も表面温度が下がります。それによって、室内が暑くなる最も大きな要因である屋根下の天井からの輻射熱が大幅に軽減されるのです。
遮熱塗料の施工によって、室内気温が3〜5℃低くなる効果が期待できます。
一般に室内温度が1℃下がると10%程度の空調電気使用量が削減できるといわれており、気温の低減にともなってエアコンの消費電力も下がるでしょう。
このことからも、遮熱塗装の効果は非常に大きいといえます。
遮熱塗装に適した屋根と遮熱塗料の種類
遮熱塗装を施工すると効果的な屋根と、遮熱塗料の種類について解説します。
遮熱塗装に適した屋根
遮熱塗装が最も効果を発揮するのは、スレート屋根やガルバリウム鋼板などの金属製の屋根です。これらの屋根は材料が薄いため、屋根材が直射日光で高温になるとダイレクトに建物内に熱が伝わります。
遮熱塗装で日射熱を反射することで、室内気温の上昇を抑える効果がはっきりと現れるでしょう。
・スレート屋根の特徴とメンテナンス方法についてはこちらの記事をご参照ください。
▷スレート屋根に塗装は必要?メンテナンス方法と必要性を解説
・金属製の屋根材についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
▷ガルバリウム鋼板に塗装は必要?ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法について解説
遮熱塗装を施工することで得られる副次的な効果
屋根に遮熱塗装を施工すると、屋根材が高温になることを防ぎ表面塗装や屋根の素材そのものの劣化を防ぎます。
また、木造住宅では屋根の下地材として木材や合板が使用されていますが、反りや変形、合板の接着剤の剥離などを防ぐ効果もあります。
このことからも、遮熱塗装を施工すると建物の長寿命化にもつながるといえるでしょう。
屋根に太陽光パネルを設置している建物も多いと思いますが、太陽光パネルは過熱されると発電効率が落ちてしまいます。
屋根材に遮熱塗装を施工していると、太陽光パネルの温度上昇を防ぐため発電効率が上がる効果も期待できます。
遮熱塗料の種類
遮熱塗料には、下記のようにいくつかの種類があります。
✅顔料系遮熱塗料
✅特殊セラミック配合型
✅中空ビーズ配合型
顔料系遮熱塗料は、一般的な塗料と比較して日射反射率を高めた塗料です。
長期間効果を保持できるように成分組成が設計されており、その性能規定はJIS規格で定められています。(JIS K 5675「高日射反射率塗料」)
遮熱塗料の種類によっては、航空機や宇宙船の外装用として開発された特殊セラミックを塗料に配合して反射効果を高めたものや、セラミックやガラスの中空ビーズを配合して遮熱効果とともに断熱効果を付加した塗料もあります。
それぞれの遮熱塗料で特徴と施工費用が大きく違いますので、ご検討の際には専門工事会社に相談してみましょう。
遮熱塗装のメリット・デメリット
ここまで遮熱塗装について解説してきましたが、そのメリットとデメリットを改めて下記に整理してみます。
遮熱塗装のメリット
屋根に遮熱塗装を施工すると次のようなメリットが得られます。
✅室内の気温上昇を低減する
✅住宅内での熱中症を防ぐ
✅冷房の効きが良くなり省エネにつながる
✅屋根表面の温度上昇を抑えて劣化を軽減する
✅屋根に太陽光パネルがある建物ではパネル温度の上昇を抑えて発電効率が上がる
遮熱塗装のデメリット
遮熱塗装は室内気温を下げて省エネ効果が得られる素晴らしい技術ですが、メリットだけではありません。下記のようなデメリットもありますので注意が必要です。
✅日射の反射を高めるためホワイト系の色に限定される
✅一般的な塗料と比較して高額になる
✅汚れが付着すると遮熱効果が落ちる
近年ではこれらのデメリットを解消する塗料も開発されていますので、導入の際には専門工事業者の意見も参考にしながら十分に検討しましょう。
遮熱塗料はアステックペイントの「REVO 1000-IR」シリーズがおすすめ
数ある遮熱塗料のなかでもっともおすすめするのが、アステックペイントの「REVO 1000-IR」シリーズです。
この塗料は高い耐候性と低汚染性に加えて優れた遮熱性能があり、室内の温度上昇を抑えて室内環境を快適に保ちます。
太陽光の波長のうち、表面温度上昇の原因となるのは波長の短い「近赤外線」です。
一般的な塗料の着色料として使用されているのは「カーボンブラック」ですが、「REVO 1000-IR」シリーズはこれよりも日射反射率が高く熱を吸収しにくい「チタン複合遮熱無機顔料」を着色料に使用していることに強みがあります。
これにより、ホワイト系の色以外でも遮熱効果を高めることに成功し、屋根色の選択肢が大きく増えたことがメリットです。
アステックペイントが実施した遮熱性検証実験では、塗装したサイディング(標準色「N6:グレー」)に約2時間照明を当て続けて、サイディングの表面および裏面の温度を放射温度計で測定しました。
実験の結果、フッ素「REVO 1000-IR」は一般的なフッ素塗料と比較して、表面は12.8℃低く裏面は9.3℃低いという結果が観測され、非常に高い遮熱性能を持つことが確認されています。
シリコン「REVO 1000-IR」では一般的なシリコン塗料に比べて、表面・裏面どちらも約9℃の温度差が確認され、フッ素塗料と同様に高い遮熱性を発揮することが実証されています。
アステックペイントの「REVOシリーズ」については、こちらの記事で詳しく解説していますので併せてお読みください。
▷アステックペイントの「REVOシリーズ」とは?気になる性能を解説
まとめ
今回は屋根の遮熱塗装について、その特徴とメリット・デメリットを詳しく解説しました。
地球温暖化の影響か年々暑さを増している気候条件においては、遮熱塗装は室内で発生する熱中症を防ぐだけでなく、冷房の省エネにもつながります。
屋根の塗装リフォームの際には遮熱塗装を選択することを、ぜひご検討ください。
大阪府八尾市の池本塗装は、遮熱塗装においても豊富な施工実績があります。
国家資格を持つ専門技術者が、お客様のお悩みに寄り添って最適な提案をさせていただきます。
もちろん、点検・見積は無料ですのでお気軽にご相談ください。
〈遮熱塗料の使用例〉