八尾市の塗装職人、池本塗装が教える知っておきたい屋根修理の豆知識

知っておきたい塗装の豆知識

タイルやコンクリートに現れる白華現象とは?防止策と除去方法について解説!

床や壁に使用されているタイルの目地や、コンクリート製の塀や壁などから白い筋が流れているのを目にすることがあると思います。これは「白華現象(はっかげんしょう)」と呼ばれる症状で、これが進行すると結晶状に固まり、建物の美観を大きく損ねてしまいます。
また、白華が進んでいる外壁や塀は塗料の付着が悪くなるため塗装メンテナンスの際には除去が必要です。

今回の記事では、この白華現象が起こるメカニズムと対策方法について詳しく解説します。
特に塗装メンテナンスをする際にはこの白華現象の処理が重要となりますので、参考にしてみてください。

白華現象(エフロレッセンス)とは?

白華現象はタイル目地やコンクリートの主成分であるセメントのカルシウム成分が雨水に溶けだし、水酸化カルシウムとして表面に流れ出す現象です。「エフロレッセンス(エフロ)」ともいい、俗には「鼻タレ」と呼ぶこともあります。

白華現象(エフロレッセンス)が発生する原因

白華現象は次のようなメカニズムで発生します。

①タイル目地やコンクリート、モルタルなどのセメントを主成分とするものの内部に水分が浸入する
②内部に浸入した水分が表面に流れ出る際に、セメントと水が反応して水酸化カルシウムになる
③表面に出た水酸化カルシウムが空気中の二酸化炭素と反応する
④炭酸カルシウムの結晶となり、粉末状に析出する
⑤結晶化が進むと、白く硬い固形物となり除去が困難になる

白華現象は水分の浸入方法によって、第一次白華と第二次白華に分類されます。

第一次白華

タイル目地やコンクリートブロックのセメント目地などの施工の際に、セメント成分が完全に硬化する前に雨水などに晒されて水酸化カルシウムが流れ出る現象です。
施工後数日で発生することが多く、セメントの硬化が遅い冬場や水分が蒸発しやすい乾燥した環境で発生します。発生早期であれば比較的除去が簡単で、メンテナンス上もさほど問題にはなりません。

第二次白華

タイルの裏側に回った水やコンクリートのひび割れから侵入した雨水がジワジワと浸み出し、長年のうちに表面に炭酸カルシウムの結晶をつくる現象です。
第二次白華は経年劣化とともに発生しやすく、放置して頑強な結晶になってしまうと除去することが困難になります。

白華現象が起きやすい条件

白華現象はタイルやコンクリート、コンクリートブロックに次のような条件が揃った場合に発生しやすい傾向があります。

【第一次白華】
✅施工後間もなく、完全に硬化する前に雨水に濡れた場合
✅硬化が遅くなる冬季に施工した場合
✅すぐに表面が乾燥する、風通しが良すぎる環境で施工した場合

【第二次白華】
✅雨掛かりで日当たりが悪く、常に湿潤状態になる場合
✅ひび割れが発生し、内部に水が浸透している場合

白華現象の危険性

白華現象は、セメント成分の流出により発生するもので、建物構造や壁や塀の安全性に直接的に影響をおよぼすものではありません。美観を損ねるというのが主な問題です。
しかし、何らかの原因で雨水が内部に回っているのは事実ですので、施工不良や経年劣化を判定するための判断材料になります。
コンクリートの表面にエフロが成長している場合は、そこにひび割れが発生している可能性が高く、内部の鉄筋を腐食させているかもしれません。
タイル外壁の場合は裏側に水が回って、タイル自体の接着不良を引き起こし落下事故につながる可能性もあります。

特に第二次白華は雨漏りや経年劣化を知らせるサインにもなりますので、見つけたら早めに専門工事業者に点検を依頼することをおすすめします。

白華現象(エフロレッセンス)の対策方法

メンテナンス

白華現象は次の方法である程度防ぐことが可能です。
ポイントとしては、表面が濡れず乾燥しやすい環境をつくることです。

【第一次白華】
✅施工時の洗い水が溜まらないようにしっかりと流しきる
✅施工後数日は雨に濡れないようにシートなどで養生する
✅気温が低い冬季の場合は寒風が当たらないように養生しながら施工する

【第二次白華】
✅ひび割れやタイル目地の欠けを発見し修繕する
✅コンクリートのひび割れは樹脂モルタルやエポキシ樹脂注入などで修繕する
✅表面防水のため塗料や撥水材を塗装する
✅風通しが良くなるように樹木など周囲の障害物を取り除く

白華現象(エフロレッセンス)を除去する方法

大阪府八尾市にて鉄階段の塗装工事

白華現象が発生している箇所にそのまま塗装工事を行った場合、塗料の接着不良を起こし長持ちしません。
塗装工事の際には白華をしっかりと除去することが大切です。

白華のメンテナンス方法

白華現象は、発生初期の段階であればご自身でも除去が可能です。硬めのナイロンブラシやメラミン系のスポンジなどで擦り落とした後に水洗いをし、清潔なスポンジや布巾で水分をしっかりと拭き取ります。

落ちにくい場合は、酸性洗剤を使用する方法もあります。白華の主成分である炭酸カルシウムはアルカリ性であるため、酸性で溶かすことができるためです。

トイレ掃除の際に使用されている「サンポール」が入手しやすくおすすめです。ただし、濃度が強過ぎるとタイルやモルタル、コンクリートの表面を痛めてしまいますので、薄めに希釈して試しながら除去作業を進めてください。

進行した白華の除去方法

結晶化し硬くなった白華を除去するには、プロの技術が必要です。
特に塗装工事をする前には白華を十分に除去しないと、塗料の密着が悪くなって剥がれやすくなるなどの問題が発生する可能性があります。

塗装工事の下地処理として白華を落とす場合は、次のような手順で進めます。③~⑦は一般の塗装工程と同じですが、白華を除去するために「物理除去」と「化学除去」の2工程を事前に入れるのがポイントです。

①物理除去
②化学除去
③高圧洗浄
④下地処理
⑤下塗り
⑥中塗り
⑦上塗り

物理除去

結晶化した白華をスクレーパーや皮スキ、タガネなどで砕きながら落とす作業です。加減を間違うと、タイルやモルタル、コンクリートの表面を痛めてしまいますので、慎重かつ丁寧な作業が求められます。

白華の層が薄くなったら、ワイヤーブラシやサンドペーパー、メラミンスポンジなどで丁寧に残りを削り取ります。

化学除去

白華の結晶が取れたら、アルカリ成分と酸の反応を利用して徹底的に除去します。プロが使用する塩酸系の薬品は取り扱いに注意が必要ですが、大きな効果を発揮します。

その際に金属や樹脂など他の材質の箇所を傷めないように丁寧に養生するのもプロの技術の見せ所です。

まとめ

今回はタイルやモルタル、コンクリートに発生する白華現象(エフロレッセンス)について解説しました。
白華現象は美観を損なうだけでなく、建物の劣化を知らせるサインにもなります。白華現象は目視で発見することが容易ですので、気になる場合は早期に専門工事業者に点検を依頼することをおすすめします。

大阪府八尾市の池本塗装は白華現象の対策と除去方法についても熟知しています。白華の除去と塗装を組み合わせたトータルの提案で、お客様の建物の美観を回復しさらに長持ちさせる施工ができます。
点検や見積はもちろん無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事は私が監修しました

池本塗装代表:池本 竜也

池本塗装代表:池本 竜也

塗装職人歴15年、1級塗装技能士・2級施工管理技士取得。一級技能検定にて優秀賞受賞、塗装技能大会にて大阪府知事賞、大阪代表の塗装職人として全国大会出場など。安心した塗装をご提供できるように日々技術を磨いています。

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