八尾市の塗装職人、池本塗装が教える知っておきたい屋根修理の豆知識

知っておきたい塗装の豆知識

門扉・フェンスや手すり塗装の重要性!材質別のメンテナンス方法について解説

門扉やフェンス、ベランダや屋上の手すりは建物の防犯上・安全上非常に重要な部材です。汚れていたり腐食したりしていると、外観の美観を損ねるだけでなく不審者の侵入を容易にしてしまい、さらには崩落・転落などの重大な事故の原因になり得るでしょう。

しかし、門扉・フェンスや手すりにはさまざまな材質が使われており、どのようにメンテナンスをしたらよいのか分からない方も多いと思います。

そこで、本記事では門扉・フェンスや手すりの材質別のメンテナンス方法について解説します。大切な建物の美観を保ちながら長持ちさせるためのコツが分かりますので、メンテナンスを検討する際にお役立て下さい。

【材質別】門扉・フェンスや手すりの劣化サインとメンテナンス方法

門扉・フェンスや手すりにはさまざまな材質が使用されています。まずは材質を見極めて、それぞれの材質による劣化のサインを見逃さないことが長持ちさせるコツです。

【メンテナンスが必要なサイン】
「鉄製」:赤錆の発生
「ステンレス製」:材質によっては赤錆の発生
「アルミ製」:白錆の発生
「木製」:塗料の色あせ・吸水
「コンクリート製/モルタル製」:コケやカビの発赤・錆汁の発生

劣化サインとメンテナンス時期

【鉄製】

鉄製の門扉・フェンスや手すりは放置すると表面の塗装が劣化し剥がれ、赤錆が発生します。赤錆が発生したまま放置すると鉄材は腐食して穴が開いてしまい、大幅に強度が低下します。特に高所にあるベランダや屋上の手すりの強度が低下すると、体重を預けた際に崩壊して転落事故が発生する危険があるため大変危険です。
赤錆が少しでも見られたら専門工事業者に点検してもらい、適切なメンテナンスを実施するようにしましょう。

【ステンレス製】

ステンレス製の門扉・フェンスや手すりには赤錆が発生しにくいため、長期に渡ってメンテナンス不要でお使いいただけます。鉄との違いが分かりづらい場合には磁石を近づけてみてください。鉄には磁石がくっつきますが、外部のステンレスに多く使用されている「SUS304」の場合にはくっつきません(※)。

※ 一部のステンレスには磁石が付くものもありますが、それはSUS430と呼ばれる種類のものです。この場合は一般の鉄製品と同様に、長期の内に腐食することがあるため注意が必要です。

【アルミ製】

アルミは多くの住宅の窓に「アルミサッシ」として使用されてきましたが、近年はアルミ製の門扉・フェンスや手すりも増えています。アルミ製品の場合は錆も発生しづらく強度も低下しないため、一般的には塗装の必要はありません。アルミもステンレス(SUS304)と同様に磁石にくっつかない性質を利用して、鉄製と見分けることができます。

長年使用していると、アルミ材の表面に「白錆」と呼ばれる白い固形物が付着することがあります。これは腐食する悪性の錆ではありませんが、表面の色が失われて美観を損ねるため交換メンテナンスを検討してもよいでしょう。

【木製】

意匠性の良い木製の門扉・フェンスや手すりですが、木材は有機物であるため塗装をせずに放置すると吸水してしまい、腐食したりシロアリが住み着いたりして強度が著しく劣化します。そのため、木製品に関しては鉄製品以上に塗装メンテナンスが欠かせません。

近年はアルミ素材に木目調の塩ビシートを貼り付けたものも普及しており、本物と見まちがえるものもあります。この場合は長期間メンテナンスフリーでお使いいただけるでしょう。

【コンクリート製/モルタル製】

コンクリートブロックや現場打ちコンクリートでつくられた塀も、表面に有機物が付着してコケやカビが発生する事もあります。

また、ひび割れを放置すると内部の補強鉄筋が錆びてしまい、赤錆の汁(「錆汁」)が垂れてくることがあります。放置すると内部で鉄筋が膨張し「爆裂」と呼ばれる現象が発生し、大幅に強度が低下します。

【参考】錆の種類による劣化判断

メンテナンス時期のサインとなる錆の発生ですが、金属の種類によって錆の色は異なります。その見分け方を説明しますので、ご参考になさってください。

赤錆

日常生活でも多く見られるのが赤錆であり、いわゆる「サビ」といえば赤錆のことを指します。赤錆は化学式「Fe2O3」と表される酸化鉄のことで、鉄と酸素が結合することによって発生します。赤錆は鉄そのものを腐食させてしまいますので、長期間放置しておくと鉄がボロボロに劣化して強度を大きく損ねてしまいます。

黒錆

赤錆に対して「黒錆」と呼ばれるものもあります。黒錆は化学式「Fe3O4」で表され、鉄の表面にできる酸化膜のことです。赤錆と違い鉄を腐食させることのない良性の錆ですが、自然に発生することはなく工業的な化学処理によって鉄の表面に保護膜を発生させる必要があります。

もらい錆

「もらい錆」と呼ばれる軽微な赤錆もあります。これは表面に付着した空気中の鉄分が錆びたもので、金属加工をしている工場や工事現場の周辺でみられることがあります。本体の鉄に発生した錆ではないため腐食を進行させることはありませんが、放置すると塗装を痛めて本体に侵食する可能性もあります。発生初期は拭き掃除で落とせますし、こびりついた錆であってもワイヤーブラシなどで擦り落とせますので、早めに除去しておくと無難でしょう。

白錆

アルミ材の表面にできる「白錆」の正体は、「水酸化アルミニウム」と呼ばれるものです。これは、アルミが空気中の水や酸素と反応して生成される酸化膜で、腐食を防ぐ保護層としての役割を果たします。白錆自体は金属の腐食ではないため、アルミの強度を低下させるものではないため必要以上に気にする必要はないでしょう。

青錆

「青錆」は、銅や真鍮(しんちゅう)に発生する錆で、「緑青(ろくしょう)」とも呼ばれます。和風住宅の玄関・窓の庇や雨樋に使用されていることがあります。青錆が発生すると金属の腐食を促進してしまいますので、延命のために緑青を削り落としたりクリアコーティングしたりして対策する方法があります。

【材質別】門扉・フェンスや手すりのメンテナンス方法

門扉・フェンスや手すりのメンテナンス方法を材質別に解説します。劣化の症状を見極めて、材質に合わせた適切な施工をするために、まずは塗装専門工事業者に点検を依頼するとよいでしょう。

材質に合った塗料と工程を選定する事が大切

塗料は対象とする材質ごとに成分が違います。鉄には鉄部用の塗料、木には木部用の塗料というように成分を最適化して用意されています。当然、塗料ごとに適切な工程が存在します。
塗装業者の中には、経費を抑えるために単一の塗料で異なる材質をまとめて塗装してしまう業者も存在します。工事を依頼する前に塗料の種類についても必ず確認するようにしましょう。

材質別の注意点

【鉄製】

鉄製品の場合は、まずは錆の発生に気付くことが重要です。特に沿岸部や幹線道路沿いで交通量の多い地域では、塩化物や硫化ガスの影響で劣化が早まるため注意が必要です。
錆が進行して塗装では直せず、高額な交換工事とならないように定期的に点検してもらうことをおすすめします。塗替えは10〜15年の頻度が一般的ですが、中間の5年ごとを目安に点検して異常が見られたら部分的な塗装補修などをすると、大切な門扉・フェンスや手すりがより長持ちするでしょう。

鉄部の塗装に関しては、こちらの記事でも詳しく解説していますのでご参考にしてください。
▷鉄骨階段に錆が発生したら早めの塗装メンテナンスを!錆の再発を防ぐ塗装方法も解説

【ステンレス製/アルミ製】

錆に強いステンレスやアルミの製品ですが、もらい錆や白錆の発生で美観を大きく損ねることがあります。特に「ヘアライン」と呼ばれる表面加工をしてある製品は、溝に溜まった汚れや飛散物がもらい錆や白錆の原因となるため定期的にブラシで水洗いをするとよいでしょう。その場合でも、ワイヤーブラシなどを使用して金属表面を傷付けないように注意してください。

【木製】

天然木製品の門扉・フェンスや手すりを長持ちさせるコツは、マメに塗料を塗り重ねて常に撥水する状態を維持することです。天然の木は気温と湿度の条件によって乾燥収縮と膨張を繰り返しているため、表面に塗った塗料は剥がれやすく長持ちしません。可能であれば、毎年塗装を実施する事をおすすめします。

木部塗装の特徴と注意点に関しては、こちらの記事でより詳しく解説しています。
▷外壁塗装で行う木部塗装とは?必要性と特徴について

▷ウッドデッキの塗装メンテナンスについて徹底解説!おすすめの塗料もご紹介します

【コンクリート製】

コンクリートブロックや現場打ちコンクリートでつくられた塀は重量物であるため、強度が低下したところに大地震が来た際に倒壊すると非常に危険です。まずは高圧洗浄などで定期的に表面を清掃し、異常個所がないかをチェックすると安心でしょう。ひび割れや錆汁が見られた場合には、早期に補修をして内部の鉄筋錆の進行を食い止めることが重要です。

コンクリート塗装に関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。
▷「ALC」や「コンクリート」外壁に適した塗装とは?メンテナンス方法を解説

まとめ

今回は門扉・フェンスや手すりの塗装メンテナンスについて解説しました。長持ちさせるためには、使用されている材質を見極めてその材質に合った適切なメンテナンスをすることが重要です。
大阪府八尾市の池本塗装では、お客様のお困りごとに親身に迅速に対応させていただきます。点検および見積は無料ですので、ぜひお気軽にお声掛けください。

この記事は私が監修しました

池本塗装代表:池本 竜也

池本塗装代表:池本 竜也

塗装職人歴15年、1級塗装技能士・2級施工管理技士取得。一級技能検定にて優秀賞受賞、塗装技能大会にて大阪府知事賞、大阪代表の塗装職人として全国大会出場など。安心した塗装をご提供できるように日々技術を磨いています。

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