ベランダ防水塗装の必要性について解説!メンテナンス方法や劣化症状など
今回の記事では、ベランダの防水塗装の重要性について説明します。
先に結論を申しますと、ベランダの防水が不十分で雨漏りが起きると、建物自体の耐久性に影響を及ぼす可能性があるので、「ベランダの防水塗装は非常に重要です!」
ベランダは、意外に人の出入りが多い場所の1つです。加えて雨や紫外線といった自然の影響も受ける場所なので、傷みやすい場所といえます。傷みが進行すれば防水機能が低下し、雨漏りを引き起こします。そうなる前に防水塗装を塗り直したり、補修することが大切です。
外壁塗装と防水塗装で使用する材料は、実はその寿命が近いという場合が多くあり、外壁塗装の施工の際、一緒にベランダや屋上の防水工事も施工するケースがよくあります。
それに加えて、日々の定期的なチェックにより早期に劣化を見つけ、対応する意識を持っておくことが、ベランダの防水塗装を長持ちさせる秘訣です。
防水工事の事前知識がなく、その重要性が理解できていないと必要なタイミングで前向きに検討できないということになりかねません。
そこで、今回は建物のベランダ防水塗装の必要性や施工の種類、適切なタイミング等についてご紹介します。
防水塗装の種類
はじめに、防水塗装の種類とそれぞれのメリット・デメリットをご紹介いたします。
ウレタン防水
ウレタン防水とは、ウレタン樹脂を塗り重ねることで、防水性能を保つ防水塗装です。
防水塗装の中でも、ベランダの防水によく使われている工法です。
防水工事の中でも比較的安価でコストパフォーマンスに優れているのも特徴の一つです。
また、この工法は塗料を塗り重ねる「塗膜防水」という工法であり、凹凸がある面にも施工が可能な点も特徴です。
密着工法と通気緩衝工法
- 密着工法 ウレタン防水材を塗布し補助布を貼り付けて、さらにウレタン防水材を塗り重ねて所定の厚さに仕上げる。 特徴として、ウレタン防水層では膨れが発生する懸念がある。 原因は下地の乾燥が不十分な状態で防水材を塗布したり、プライマーの塗布量の過不足、補強布類の接着不足などがある。
- 通気緩衝工法 通気性能を有する通気緩衝シートを貼り付けたあとに、ウレタン防水材を塗布する防水工法。 特徴として、膨れの原因となる下地に混入した水分を、外部に脱気させる効果があり、安全で信頼性が高い工法です。
ウレタン防水のメリット
- 複雑な場所でも施工しやすくベランダの防水に向いている。
- 工事費用が安く施工できる。
- 定期的に上塗り塗料を塗装すれば、品質を保つことが可能。
ウレタン防水のデメリット
- FRP防水に比べ工期が長くなる。
- 職人の技術で仕上がりに差が出る。
- 他の工法に比べ、耐久力は少し劣る。
▷施工事例:八尾市にて塗装工事<ベランダ防水・手摺りの塗装>
▷施工事例:八尾市にて外壁塗装・ベランダ防水<ウレタン密着工法>
FRP防水
FRP防水は、プラスチック(ポリエステル樹脂)の中に、ガラス繊維や炭素繊維などを含めることにより、材料の耐久性を強化する施工方法です。
軽量で施工箇所への過重負担が少なく、耐久性・耐水性にも優れており、近年の外壁塗装の防水では、ウレタン防水と並び施工実績の高い工法です。
しかし、最大のデメリットである「伸縮性が小さい」という点があり、気温の変化や地震の際に、建物自体に動きが生じる木造住宅や、屋根などの面積が広い場所への塗装は向かない特徴があります。
FRP防水のメリット
- 軽量で耐久性が高い。
- 摩擦や重みに強い。
- 硬化が早く、工期が短い。
- 塗りムラができにくく、仕上がりが均一に。
FRP防水のデメリット
- 伸縮性がなく、木造住宅や広い面積の場所への施工に向かない。
- 費用が高くなる。
- 施工の際に、強い匂いが出る。
▷施工事例:八尾市にてベランダ防水塗装(FRP防水)
▷施工事例:八尾市にて屋上防水・外壁塗装工事
その他の防水工法として、シート防水・アスファルト防水といった工法があります。
しかし、ベランダの防水工法としては向いておらず、屋上などによく使用される防水工法となっています。
シート防水
シート防水は、ゴム製やビニール製のシートを用いて浸水を防ぐ防水工法です。
ウレタン防水やFRP防水の塗膜防水に比べ、非常に高い耐久性を持っています。
塗膜防水の寿命は約10年に対して、シート防水はゴムシートで10〜15年、塩ビシートで10〜20年といわれています。
シート防水のメリット
- 耐久性が塗膜防水よりも高い。
- 工事費用が安く施工できる。
- 広い範囲の施工に適する。
シート防水のデメリット
- 施工中に騒音と強い匂いが出る可能性がある。
- つなぎ目の接着が不十分だと雨漏りに繋がる。
- ベランダ等の狭い場所や、複雑な形状の場所は施工できない。
アスファルト防水
アスファルト防水は、液体状の溶融アスファルトとアスファルトルーフィングを、複数貼り重ねて形成する防水層のことをいいます。
工法は「熱工法・冷工法・トーチ工法」と大きく分けて3種類あります。
仕上げ工法には、アスファルト防水層をそのまま露出させておく工法と、防水層の上に更にコンクリートを打設し、保護機能を高める工法があります。
古くから使われてきたこのアスファルト防水は、マンションやビルの屋上でよく使われており、耐久性能に優れているので長期に渡り建物を守ることができます。
アスファルト防水のメリット
- 耐久性・防水性が非常に高く、寿命は約15年〜20年。
- 安定した防水層の形成が可能。
アスファルト防水のデメリット
- 重さがあり、強度の弱いベランダ等には向かない。
- 熱工法では臭いや火事のリスクもある。
- アスファルトを扱う者の技術・知識によって品質が左右される。
防水塗装のタイミング
防水塗装は、主に塗膜防水・シート防水・アスファルト防水に分類されますが、それぞれの工法に特徴的な劣化症状が確認できます。
今回はベランダの「塗膜防水」によく見られる劣化を紹介しますので、ベランダで同様の劣化があれば、防水塗装を施工するタイミングだと判断してもいいでしょう。
ひび割れ
防水塗装にひび割れが発生していれば、早期に対応が必要です。
ひび割れが防水層や下地にまで到達すれば、雨漏りに繋がり建物事態に影響を及ぼす原因になります。
表面の色褪せ
防水塗膜の表面を保護する性能が落ちてきた1つの目安になります。
ベランダの中でも日がよく当たる部分や、雨の後に耐水する部分は劣化が進みやすくなります。
表面の保護が弱まれば、防水層へ紫外線等の外部からのダメージが及び、防水塗膜全体の劣化が早まる原因となります。
植物の繁殖
ベランダの端や、ひび割れ部分に雑草が根付くと、防水層をはじめ、下地にまで根が侵食していき、躯体そのものにまで影響を及ぼす可能性があります。
小さな雑草でも、発見すれば早期に対応することが大切です。
年数で見極める
ベランダの防水塗装の一般的な寿命は、前回に防水塗装を施工、あるいは新築時の施工から約10年といわれています。
この記事でご紹介している、ウレタン防水・FRP防水共に10年以上が経過すると防水効果が失われていきますので、見た目に目立つような劣化がなくても、、年数が経過すれば防水塗装を行うという判断が必要な場合もあります。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、ベランダ防水塗装の必要性ということで、代表的な防水工法の種類を紹介し、それぞれの工法がどんな場所に適しているか、そして各工法のメリットとデメリットをご紹介しました。
建築物の種類、鉄筋コンクリート造りなのか木造なのか、そして劣化の具合や工期に予算と様々な条件によって、どの工法が適切かは変わってきます。
現在の防水工事では、ベランダの防水に関しては「塗膜防水」を施工するのが主流であると思いますが、ウレタン防水かFRP防水のどちらが適するのかは、施工する業者とよく相談して決定するのがおすすめです!
ベランダの防水は、放っておくと気付かないまま劣化が進み、雨漏りから建物が傷んでしまうという可能性もあるので、建物を長期に守る上で重要なポイントの1つといえます。
こまめに劣化の状態と経過年数を意識し、余裕を持って防水塗装を重ねることが、結果的にベランダの防水を長持ちさせることに繋がるでしょう!
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