外壁塗装で気をつけるべき営業マンのセールストーク3つをご紹介!
外壁塗装に限ったことではありませんが同じ工事をする、同じものを買うなら少しでも安い方が良いと誰もが思うものです。
特に外壁塗装に関してはどんな工事でも決して安くはないので、どうしても安さに目が行きがちです。
現地調査やお見積もりの際に塗装業者の営業マンは色々甘い話を提案してきますが、中には気をつけなければいけない提案もあります。
ここでは、外壁塗装の営業において気をつけるべきセールストーク3つについて解説していきます。
必要以上に外壁の劣化を強調し不安を煽るセールストーク
まず、必要以上に外壁の劣化状況を強調し、「今すぐ塗装しないと雨漏りしますよ!」「外壁がもっとひどいことになりますよ!」とお客様の不安を煽る営業マンがいます。
実際そのまま塗り替えを放置し続ければ、雨漏りが起こったり外壁の劣化(ひび割れなど)が悪化したりするのは事実です。
しかし、現在すでに雨漏りがはじまっているのであれば別ですが、外壁に1mm程度のヒビ割れがある程度では今すぐに雨漏りが起こることはほとんどありません。
外壁が原因で雨漏りが起こるのには順序があり、まず塗装からおよそ10年程度で塗膜の劣化が始まり(シリコン塗料の場合)、外壁塗膜の防水性・耐水性が低下しはじめます。
塗膜の劣化として代表的な症状が、皆様も一度は聞いたことがあるかもしれませんが、チョーキング(白亜化現象)と呼ばれる外壁を指で触った際に白い粉のようなものがつく症状です。
そして、防水性・耐水性が低下した外壁は雨風に対して無防備になり、本来であれば水を弾いていたところが水捌けが悪くなり、日当たりの悪い場所ではカビやコケが発生します。
そこまで防水性・耐水性が損なわれれば当然外壁素材にも悪影響があり、外壁表面にヒビ割れが発生し、そこから雨水が建物内部へ侵入し、建物躯体を腐食させ雨漏りを引き起こすのです。
チョーキングやカビ・コケの発生、ヒビ割れが発生している外壁をそのまま放置すると、いつか雨漏りを引き起こしてしまうのは事実です。
しかし、悪質塗装業者の営業マンは、ヘアクラックと呼ばれる髪の毛のように細いヒビ割れ(幅0.3㎜以下、深さ4mm以下)を見つけただけで、「早く塗り替えないとあっという間に雨漏りしますよ!」と必要以上に不安を煽って契約を急かしてくるのです。
塗り替えの放置はいけませんが、その当日に焦って契約を結ばなければならないほど急を要するようなことはありません。
インターネットなどでじっくりとご自身が気に入った信頼できる塗装業者を探す時間はあります。
むしろ、軽微な劣化を必要以上に大ごとのように話し、即日の契約を急かしてくるような塗装業者に依頼するべきではありません。
このケースは飛び込み営業に多く見られるセールストークです。
ある日突然家のインターフォンが鳴り、ドアを開けると営業マンに「外からお宅を見てたんですが、このままだと雨漏りしますよ!」と突然言われたというケースが多いです。
また、飛び込み営業を行っている塗装業者は、施工品質・価格の両面でお客様側が損をする場合が多く、クチコミでも良い評判をほとんど聞いたことがありません。
繰り返しになりますが、塗り替えを放置し続けるのは決してよくありませんが、かと言って今すぐ得体の知れない塗装業者と契約を結ばなければならないものでもありません。
飛び込み営業でこのようなセールストークを受けた際は、「そろそろ塗り替え時期なのかな?」という参考程度にしておき、決して契約は結ばないのが得策です。
「助成金・補助金」の活用をすすめてくるセールストーク
近年、インターネットの広告などでも、「外壁塗装が助成金でこんなに安く!?」といった趣旨の広告をよく見かけます。
こちらも前項のように決して嘘を言っている訳ではないのですが、裏があります。
外壁塗装の助成金・補助金は皆様がお住まいの各市町村が実施している制度であり、活用できれば確かにお得に外壁塗装を行うことができます。
しかし、各市町村が実施しているということは無条件に誰でも活用できる訳ではなく、当然ながら受給に関して条件が設けられています。
外壁塗装の助成金・補助金においては、ただ単純に「塗り替えをするなら補助します」といった趣旨の外壁塗装に助成金・補助金が出ることはほとんどありません。
多くの場合で、
・断熱塗料、遮熱塗料を使用しエコを目的とした塗装工事を行う場合
・空き家問題解消のために、空き家に移り住んだ世帯が外壁を含むリフォーム工事を行う場合
このどちらかの条件が設けられています。
断熱塗料・遮熱塗料を使用すれば、夏場や冬場の光熱費を抑えることができ、エコ活動に貢献できるため多くの自治体がこの条件を設けていますが、問題は断熱塗料・遮熱塗料の価格です。
通常のシリコンやラジカル塗料に比べて断熱塗料・遮熱塗料は高額になりがちです。
そのため、「助成金・補助金を活用したいがために断熱塗料・遮熱塗料を使ったものの、通常のシリコンやラジカル塗料を使用した塗り替え費用をさほど変わらなかった」というケースが非常に多いのです。
場合によっては通常の塗料を使った方が安く収まるといった場合もあります。
もちろん最初から断熱塗料・遮熱塗料をご希望されている方にはお得に塗り替えができる有用な制度ですが、一般の方が誰でも気軽に使える制度ではありませんし、必ずしもお得になるとは限りません。
また、空き家問題解消のためのリフォームに関する助成金・補助金は、多くの場合で過疎地と呼ばれる市区町村で設けられている制度です。
そのため、ここ大阪ではこの趣旨の助成金・補助金制度は見かけることがないので、大阪にお住まいの方にとってはほぼ無縁の制度と言えます。
誰でも簡単に活用できる制度ではない上に、人によっては条件に当てはまらない制度をなぜ「外壁塗装が助成金でこんなに安く!?」と謳うのか?
理由は簡単で、安く外壁塗装ができると皆様の目を惹かせ、問い合わせさせようとしているのです。
つまり、「制度が使えるか使えないかはわからないけど、とりあえず問い合わせさせよう」という訳です。
多くの人は「外壁塗装が助成金でこんなに安く!?」という広告を見ると、「自分も安く外壁塗装ができる」と思うのではないでしょうか?
決して嘘をついている訳ではないですが、「誰でも気軽に使える制度ではない」「活用できる人を選ぶ制度」、そして「そもそもそんなに安くはならない」という点は覚えておきましょう。
「自社開発塗料」をすすめてくるセールストーク
ここまでの2つの項目は、「嘘ではないけど誇張したセールストーク・広告」でした。
しかし、この「自社開発塗料」をすすめてくるセールストークについては注意するのが得策です。
営業マンのセールストークの中には、「どんな高価な塗料でも市販品は長くて25年程度の寿命ですが、当社は自社で塗料の開発をしており、寿命が30年以上です!」と「自社開発塗料」をすすめてくるケースがあります。
しかしよく考えてみてください。
日本国内には日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研など大手塗料メーカーが数多くありますが、それら大手でもいまだに作れていない寿命が30年以上の塗料を、街の小さな塗装業者が作ることなどできるのでしょうか?
また、上記の大手塗料メーカーは創業から長い歴史があり、開発された塗料は実際の現場で10年、20年と使われてきた実績があります。
一方で、街の小さな塗装業者が作った塗料が成分的には本当に高耐久のものだったとしても、実際の現場環境において期待通りの耐久性を保つことができるのか何の実績も保証もありません。
このケースでは、「寿命が長いので次回の塗り替えを行うのが通常の塗料よりだいぶ先になり、外壁にかけるメンテナンス費用を長期的に抑えることができる」というのが営業マンの主張になります。
実際に30年以上も寿命がある塗料が実在すれば、多少割高であっても外壁にかけるトータルコストを抑えることができますが、現実にそんな甘い話はありません。
この手の塗装業者が使う「自社開発塗料」は、既存の塗料を混ぜ合わせた粗悪なものがほとんどで、しかも通常の塗料より高額な価格設定になっています。
悪徳塗装業者は、一般の方は塗料について詳しくないため「自社開発といっても塗料の成分なんてわからないだろうし、塗ってしまえばこちらのもの」というつもりで皆様を騙そうとしてきます。
「自社開発塗料」を扱う塗装業者のすべてが悪徳業者と断じることはできませんが、自社開発を謳うのであればまずは塗料のカタログやパンフレット、そして実績を見せてもらうようにしましょう。
その時点であまり信用できないなと感じれば、そのような塗装業者には塗り替えを依頼しないのが得策です。